ご来場ありがとうございました!(第36回西荻ブックマーク「コラムニスト、なのである」 ~雑談日和~)

えのきどいちろう&北尾トロ

第36回の西荻ブックマークは、4箇月ぶりになるスタジオマーレでの開催でした。

出演はコラムニストのえのきどいちろうさん、進行役はわれらが北尾トロさんです。

「こんなに密集した空間でトークショーをするのははじめて」とはじめは若干緊張気味だったえのきどさんは、みずからの提案で、客席の最前列に座っているお客さんも交えてちょっとしたゲームをして、まずは場をなごませ、御自身もリラックスされます。
ゲームにはスタッフも協力しました。

場がなごんだところで、えのきどさんのこれまでのコラムニストとしての、経歴やお仕事ぶりが、北尾トロさんの絶妙な相の手とあいまって、なめらかに独特なやんわりした語り口でもって、くりひろげられてゆきます。
もっともコラムの仕事の本数をかかえていたころのお話など、えのきど節が余すところなく発揮されておりました。

前半の最後では、えのきどさんの過去のコラムが朗読される一幕も。
子供向けのゲーム雑誌に掲載されたというそのタイトルは「月」。
そこはかとなく、生きることの悲しみを底辺にひそめながらも、夜の公園のベンチを照らす月に勇気づけられるような、これまたえのきどさんの別の一面をのぞかせるようなコラムでした。

さて、後半は、北尾トロさんからの重大発表からはじまりました。
この場にいるみなさんにもぜひ積極的に意見を聞かせてほしいとのことです。

この企画をだれかに話すのもこの場がはじめてというまさしく貴重な瞬間であります。

さて、企画の具体的な内容については、残念ながら、まだこの場では発表できません。遠からず、北尾トロさんから、なんらかのかたちで正式な告知があるかと思います。
そのときまで、期待して、お待ちくださいませ。

企画の話は大いに盛り上がり、終了の予定の時間を30分以上過ぎてもなお、決着がつきませんでした。

興奮冷めやらぬまま、話しあいの場は打ち上げの2次会へとそのまま持ち越されました。
2次会の場所は、西荻南口のタイ料理のお店「ぷあん」。ここで車座になって、輪になって熱をこめて語りました。

毎度思うことですが、西荻ブックマークのイベントの打ち上げは、出演者とお客さん、スタッフの距離が近く、この夜もなごやかないい雰囲気のまま、宴は深夜にいたるまでつづきました。

スタッフ:添田


nbmミーティング@カムラッド

091008_2027371

10月8日(木)20時より西荻窪カムラッドにてミーティングを行いました。

通常のミーティングは、北尾トロさんの事務所をお借りして行っているのですが、今回は約1年半ぶりのディナーミーティング! 新メンバーを含む13名のnbmスタッフが集合しました。

この日はnbmの今後の運営方針を中心に活発な議論が。
有志による本にまつわる小さなマンスリーイベントとしてスタートした西荻ブックマーク。今年、3周年を迎え、これからもさらに長く続けていくためには何が必要なのか?を考える話し合いが行われました。

そういえばnbmグッズって作ってないよね……?という提案なども。そうそう、nbmグッズはぜひ作りたいですね!

そんな感じで西荻ブックマークは来年春以降も続いていきます。
今後の西荻ブックマークもどうぞお楽しみに! スタッフも引き続き募集中です!

スタッフ:木村カナ


ご来場ありがとうございました!(第34回西荻ブックマーク「ガルボのように 1920-30年代東京・モダンガールとしての尾崎翠」)

『KAWADE道の手帖 尾崎翠 モダンガアルの偏愛』『第七官界彷徨』の二冊の刊行記念イベントとして開催された第34回西荻ブックマークは、尾崎翠が東京で作家活動をしていた1920-30年代に焦点をあて、「モダンガール」としての尾崎翠を、その時代の音楽・映画・海外文学の受容など様々な角度から浮かび上がらせるという試みでした。


2525稼業

第一部はachacoとsaraの歌のユニット2525稼業のライヴ演奏。キャンディー・カラーの色違いのサンダル、胸には大きな蘭の花を付けて真っ白な衣装に身を包んだお揃いのコスチュームが何とも可愛らしい! 作詞作曲を手がける高橋裕氏のアコースティックギターにのせて二人の透明感のある唄声が会場一杯に響き渡ります。今回は特別に創樹社版の全集月報に掲載されている『歩行』の詩をアレンジした曲や小野町子にちなんだ『小町』、樋口一葉の『にごりえ』など翠文学を想起させる曲の数々を聞かせてくれました。また、『東京行進曲』をはじめ、二村定一やエノケンのメドレーなど、尾崎翠もきっと口ずさんだであろうモダン都市・東京の流行歌を、懐古調ではなく斬新なアレンジとたのしい楽器とで現代のポップスとして甦らせる手腕は2525稼業ならではのもの。会場からは大きな拍手が贈られていました。


第2部

第二部は西荻ブックマークのスタッフでもあり今回の企画を担当した木村カナさん、第一部で素敵な唄声を披露したachacoこと平山亜佐子さん(戦前不良少女研究家という肩書きも!)、アメリカ文化を専門に翻訳・批評・演劇など幅広い分野で活躍されている小澤英実さんによるトークセッション。

The Modern Girl Around the World

まず、話題は「モダンガール」という言葉をおさらいするところから始められました。日本において最初にこの言葉を使ったという北澤長梧(秀一)「モダン・ガールの表現――日本の妹に送る手紙」を木村さんが紹介するとともに、小澤さんと平山さんが補足として同時代的に発生した「モダンガール」という現象をゼルダ・フィッツジェラルドやクララ・ボウなどの例を挙げながら言及されていました。政治的でアクティヴィストとしてのNew Womenとファッションや性的魅力(=イット)に重きを置くModern Girlの違いについての小澤さんの話が印象的で、紹介されていた”The Modern Girl Around the World”という本もかなり気になります。

モガモボ狩り新聞記事

また、断髪洋装の「モダンガール」が略語の「モガ」になるとネガティヴなイメージで語られるという話も。その一例として平山さんが挙げられたのは、当時の新聞記事の見出しで「モガ」=「不良」という図式が読み取れるというもの。クロシェ帽を目深に被ったモダンガール・尾崎翠が不良モガ「ガルボのお政」と新宿武蔵野館という同じ空間で映画を楽しんでいたかもしれない、という空想は私たちをわくわくさせてくれるに十分です。

尾崎翠スライドグレタ・ガルボ/長谷川泰子スライド

そして、今回のイベント名にもなっているキーワード、グレタ・ガルボについての話題もありました。代表作『第七官界彷徨』を執筆していたころの尾崎翠は、グレタ・ガルボを気どって黒い洋装をし、断髪した赤いちぢれ毛で肩を怒らせて闊歩していた、文字通りのモダンガールだったという大田洋子の回想を紹介。また、同じ頃、中原中也と小林秀雄の恋人で「グレタ・ガルボに似た女」と呼ばれた女優・長谷川泰子についても写真とともに紹介され、同時代のモダンガールとしての二人の対比も興味深いものでした。

海外文化の安易な模倣が巷に溢れ、それを享楽のうちに受容していたモダン都市・東京。1920-30年代の東京で花開いたモダン都市文化の模倣をめぐる狂躁ぶりは、現代から考えるといくぶん滑稽にさえ思えますが、尾崎翠に「私の生涯には、ひとつの模倣が偉きい力となつてはたらいていはしないであらうか」と呟かせたのは、まぎれもなくこの時代の空気であったのではないでしょうか。

m.k.


ご来場ありがとうございました!(第33回西荻ブックマーク「『昔日の客』を読む~大森・山王書房ものがたり~」)

nbm33

山王書房は、東京・大森で1953(昭和28)年に開店し、店主・関口良雄さんの逝去のため1977(昭和52)年に閉店した古書店。尾崎一雄や上林暁、野呂邦暢ら、大森近在の文学者に愛された伝説的なお店です。

関口良雄さんがご自身の還暦の節目として、それまでに書きためた文章をまとめたのが、随筆集『昔日の客』。小部数の出版だったため現在では入手困難な本ですが、その文章の素晴らしさから、知る人ぞ知る「幻の名著」です。

第33回のメイン出演者は、山王書房店主・関口良雄さんのご子息で音楽プロデューサーの関口直人さんと岡崎武志さん。
この本が「文庫化されてだれもが読めるように、みんなで声をあげて応援していきたい」という岡崎さん。関口さんとともに、その魅力を存分に語っていただきました。

R0014106

関口直人さんと岡崎武志さん

17時開演。あいにくの雨にもかかわらず、熱心なお客様で会場は満席です。
メイン出演者のおふたりの横には、在りし日の関口良雄さんの写真が飾られています。

本の完成前に関口良雄さんが亡くなったため、直人さんがあとがきを書くことになったいきさつ。
直人さんの結婚式当日、出来上がった本が式の会場に届けられていた感激。
直人さんの誕生日が2月19日で、『昔日の客』もちょうど219ページだった偶然。
式の集合写真を撮影する直前、どこからか銀杏の葉(関口良雄さんの俳号が銀杏子)が1枚、直人さんのもとへ舞い落ちてきた不思議……。
淡々と語られる、まるで小説のようなエピソードの数々に、会場からは感嘆の声があがります。

R0014122

朗読する直枝政広さん

休憩をはさんだ後半には、シークレットゲストのミュージシャン・直枝政広さん(カーネーション)が登場。『昔日の客』の一部を朗読してくださいました。
幅広い趣味を持ち、渋い本読みでもある直枝さん。長年探していた『昔日の客』が、以前からお知り合いだった関口さんのお父上の本であることは、数年前、偶然知ったのだとか。

ちなみに、先月、関口良雄さんの33回忌を迎えられたそうですが、なんと西荻ブックマークも今回が第33回! ここにも不思議な偶然が生まれていたのでした。

客席には、石神井書林・内堀弘さんやライター・荻原魚雷さん、天誠書林・和久田さん(中学生のころから山王書房に通っておられたのだそう)の姿も。途中で、それぞれ『昔日の客』の魅力や関口良雄さんの思い出を語ってくださいました。お三方ともに、関口良雄さんの文章と人となりに敬愛の念を抱いていることがよく伝わってきました。

その後は、山王書房についての資料集「風狂の人・山王書房店主関口良雄」を編纂された萩原茂さんもトークに参加。関口さんと岡崎さんのリラックスした語り口のおかげで、会場は終始なごやかな雰囲気に包まれていました。

西海孝『空を走る風のように、海を渡る波のように』
R0014149

最後には、関口直人さんが持参されたギターで、関口良雄さんが遺した詩に曲を付けた歌を披露。大きな拍手のなか、イベントは幕を閉じました。

来場されたお客様には、萩原さんのご好意で「風狂の人・山王書房店主関口良雄」がプレゼントされました。手軽に『昔日の客』が読めるようになる日まで、この本で関口さんの業績をしっかり「予習」しておくことができますね。

ほとんどの方が未読だったと思いますが、それでも「昔日の客」の類を見ない面白さは、お客様に十分伝わったのではないでしょうか。
出演者のみなさん、ご協力いただいたみなさん、お越しくださったみなさん、ありがとうございました。

次回からの西荻ブックマークも、どうぞよろしくお願いいたします。

スタッフ:宮里

続きを読む »


ご来場ありがとうございました!(第32回西荻ブックマーク「気弱な古本屋入門 ~ある古本屋の生活と意見~」)

r0011325

第32回のメイン出演者はnbmスタッフでもある古書店「音羽館」のご主人、広瀬洋一さんです。
西荻ブックマーク3周年を記念して、料金も1,000円ぽっきりです(いつもは1,500円)。
シークレットとして、伏せられていたゲストは岡崎武志さんでした。

17時。開演。
会場の出演者席の左右には、ホワイトボードとプロジェクターがそれぞれ設置されています。ホワイトボードには広瀬さんがトークの種として用意しておいた単語が、16分割のマス目に挙げられています。

はじめは緊張気味にお話しされていた広瀬さんも、隣に座られている岡崎武志さんの絶妙な相の手と、適切なフォローによって次第になめらかなトークになり、会場の雰囲気もそれにつれてなごやかなものとなってゆきます。

会場にお越しになったお客さんに将来、古本屋さんになりたいという希望を持ったかたが、何名かいらっしゃって、これには広瀬さんもびっくりされていました。

r0011274

古書店をはじめる前の広瀬さんの略歴、音羽館が開店するまでの秘話などが、プロジェクターに当時の貴重な写真が映し出されながら、披露されてゆきます。
音羽館のマスコットキャラクターである、「おとわちゃん」も紹介されます。

休憩をはさんで後半からは、古本の値づけの実際がおこなわれます。古本を持ってこられたお客さんの本をその場で広瀬さんが値段をつけます。古本の価格はどのような基準で決めるのか、岡崎さんの経験談もはさまれながら、興味深いトークがくりひろげられます。
中央線沿線のほかの有名な古書店とのつながりも披露されます。

そのあとは質疑応答。みなさん、積極的に手をあげられます。
熱が入るあまりに、広瀬さんがホワイトボードに図を書いて説明される一幕も。

最後には北尾トロさんから、高遠本の家プロジェクトや夏開催予定のイベントの告知が行われました。

特製おみやげとして告知されていたのは音羽館店内BGM集CDでした。
これでいつでも、あたかも音羽館にいるかのような気分が満喫できますね。

最後になりましたが、ゲスト出演してくださった岡崎武志さん、ご協力いただいたみなさん、お越しくださったみなさん、まことにありがとうございました。

今後の西荻ブックマークもよろしくお願いいたします。

スタッフ:添田