第5回「ちいさな古本博覧会」

デザイン:田中聡美

第5回 ちいさな古本博覧会

2010年4月10日-11日(日)
10時-18時
西部古書会館
杉並区高円寺北2-19-9 [Googleマップ]
公式ブログ:http://expo.collabonet-project.com/

昭和[懐新]カルチャー

戦前から、戦後、半世紀以上の長きにわたり、さまざまな文化が生まれては消え、めまぐるしい変遷を繰り返してきた昭和。
エロ・グロ・ナンセンスで明け、戦時色に染められ、カストリ文化の時代を経て高度成長、出版ブーム、そして、アングラ、カウンター・カルチャーへ……。
面白くて、不思議で、懐かしくって、新しい。
各参加古書店が、独自の視点から、昭和の「懐かしいのに、新しい」本を持ち寄り、販売します。
あんなこんな昭和の姿、本を通じて感じてみてください。

» 第5回ちいさな古本博覧会ウェブページ


[スペシャル・イベント](会場:西部古書会館)

根本敬トーク・イベント(聞き手:手塚能理子)
「昭和のカルチャー、漫画、そしてガロ」

「ガロ系」と呼ばれる作家のなかでも、極北に位置し、特殊漫画家と自称する根本敬氏が、元ガロ副編集長の手塚能理子氏を相手に、昭和40年代、ひとつの象徴的時代を切り開いたガロを切り口として、「昭和」、「漫画カルチャー」について語ります。

4月10日(土)
19:00 (18:30開場)
入場料:1000円(要予約) » ご予約はこちらから
定員 50名
※終了後サイン会あり


[ガレージ・ライブ] (会場:西部古書会館・屋外駐車場スペース)

4月10日(土)
14時 オグラ(インチキ手廻しオルガン)
16時 Pippo(文系 Fantasic Singer)


[サテライト会場企画](会場:茶房高円寺書林 http://kouenjishorin.jugem.jp/
「平山亜佐子セレクション 不良少女の匣」

『明治 大正 昭和 不良少女伝』(河出書房新社)の著者・平山亜佐子が選んだ注目の古本を中心に、女子のための古本を展示即売。

4月10日(土)
15時 2525稼業+高橋裕 ライブ
入場無料/1ドリンクオーダー制



平山亜佐子『明治 大正 昭和 不良少女伝』

第34回「ガルボのように――1920-30年代東京・モダンガールとしての尾崎翠」にご出演いただいた、平山亜佐子さんの著書『明治 大正 昭和 不良少女伝 莫連女と少女ギャング団』が、12月2日に河出書房新社より発売されます。

平山亜佐子
『明治 大正 昭和 不良少女伝
莫連女と少女ギャング団』

定価1,995円(本体1,900円)
ISBN 978-4-309-24498-3
46 ● 224頁
発売日 2009.12.02
発行日 2009.11.30
【内容紹介】
堕落した書生を成敗せよ! 不良集団の四谷ハート団を率いたジャンダークのおきみ等、明治、大正、昭和を彩った不良少女たちの生態が今明かされる。第四回河上肇賞奨励賞受賞作。

【著者紹介】
平山 亜佐子 (ヒラヤマ アサコ)
兵庫県芦屋市生まれ。文筆家。著書に『20世紀 破天荒セレブ ありえないほど楽しい女の人生カタログ』。2008年11月に本書の第一稿となる「明治 大正 昭和莫連女と少女ギャング団」で河上肇賞奨励賞を受賞。

»詳細はこちらから
河出書房新社|明治 大正 昭和 不良少女伝


2525稼業ライブ情報

第34回西荻ブックマークに出演した2525稼業。西荻窪の隣駅、荻窪でのライブのお知らせです。


9月のライブのお知らせです。
今月は荻窪のアトリエハコで行われる、
andre andoと柳田亮さんの二人展「散歩」オープニングパーティーにてライブします!

「EXPO SAMPO 散歩 ryo yanagida x andre ando」
日時:2009年9月18日(金)opening party18:00start live 19:30start
会場:荻窪・アトリエハコ
杉並区荻窪5-1-12 03-5397-6222
料金:無料


2525稼業ライブ情報

第34回西荻ブックマークに出演した2525稼業のライブのお知らせです。


どなたでもウェルカムなイベントなので、ぜひぜひ遊びに来て下さい☆

「島津山フェステバル ’09(通称:島フェス)」
日時:2009年8月22日(土)18:00〜22:00
会場:五反田・島津山ハウス 2階&屋上
料金:2500円(飲み放題+食事+etc..)
タイムスケジュールは【島フェス】ブログをチェキ(2525の出番は20時30分〜21時ごろです)!

夏の一晩を2525とご一緒に!


ご来場ありがとうございました!(第34回西荻ブックマーク「ガルボのように 1920-30年代東京・モダンガールとしての尾崎翠」)

『KAWADE道の手帖 尾崎翠 モダンガアルの偏愛』『第七官界彷徨』の二冊の刊行記念イベントとして開催された第34回西荻ブックマークは、尾崎翠が東京で作家活動をしていた1920-30年代に焦点をあて、「モダンガール」としての尾崎翠を、その時代の音楽・映画・海外文学の受容など様々な角度から浮かび上がらせるという試みでした。


2525稼業

第一部はachacoとsaraの歌のユニット2525稼業のライヴ演奏。キャンディー・カラーの色違いのサンダル、胸には大きな蘭の花を付けて真っ白な衣装に身を包んだお揃いのコスチュームが何とも可愛らしい! 作詞作曲を手がける高橋裕氏のアコースティックギターにのせて二人の透明感のある唄声が会場一杯に響き渡ります。今回は特別に創樹社版の全集月報に掲載されている『歩行』の詩をアレンジした曲や小野町子にちなんだ『小町』、樋口一葉の『にごりえ』など翠文学を想起させる曲の数々を聞かせてくれました。また、『東京行進曲』をはじめ、二村定一やエノケンのメドレーなど、尾崎翠もきっと口ずさんだであろうモダン都市・東京の流行歌を、懐古調ではなく斬新なアレンジとたのしい楽器とで現代のポップスとして甦らせる手腕は2525稼業ならではのもの。会場からは大きな拍手が贈られていました。


第2部

第二部は西荻ブックマークのスタッフでもあり今回の企画を担当した木村カナさん、第一部で素敵な唄声を披露したachacoこと平山亜佐子さん(戦前不良少女研究家という肩書きも!)、アメリカ文化を専門に翻訳・批評・演劇など幅広い分野で活躍されている小澤英実さんによるトークセッション。

The Modern Girl Around the World

まず、話題は「モダンガール」という言葉をおさらいするところから始められました。日本において最初にこの言葉を使ったという北澤長梧(秀一)「モダン・ガールの表現――日本の妹に送る手紙」を木村さんが紹介するとともに、小澤さんと平山さんが補足として同時代的に発生した「モダンガール」という現象をゼルダ・フィッツジェラルドやクララ・ボウなどの例を挙げながら言及されていました。政治的でアクティヴィストとしてのNew Womenとファッションや性的魅力(=イット)に重きを置くModern Girlの違いについての小澤さんの話が印象的で、紹介されていた”The Modern Girl Around the World”という本もかなり気になります。

モガモボ狩り新聞記事

また、断髪洋装の「モダンガール」が略語の「モガ」になるとネガティヴなイメージで語られるという話も。その一例として平山さんが挙げられたのは、当時の新聞記事の見出しで「モガ」=「不良」という図式が読み取れるというもの。クロシェ帽を目深に被ったモダンガール・尾崎翠が不良モガ「ガルボのお政」と新宿武蔵野館という同じ空間で映画を楽しんでいたかもしれない、という空想は私たちをわくわくさせてくれるに十分です。

尾崎翠スライドグレタ・ガルボ/長谷川泰子スライド

そして、今回のイベント名にもなっているキーワード、グレタ・ガルボについての話題もありました。代表作『第七官界彷徨』を執筆していたころの尾崎翠は、グレタ・ガルボを気どって黒い洋装をし、断髪した赤いちぢれ毛で肩を怒らせて闊歩していた、文字通りのモダンガールだったという大田洋子の回想を紹介。また、同じ頃、中原中也と小林秀雄の恋人で「グレタ・ガルボに似た女」と呼ばれた女優・長谷川泰子についても写真とともに紹介され、同時代のモダンガールとしての二人の対比も興味深いものでした。

海外文化の安易な模倣が巷に溢れ、それを享楽のうちに受容していたモダン都市・東京。1920-30年代の東京で花開いたモダン都市文化の模倣をめぐる狂躁ぶりは、現代から考えるといくぶん滑稽にさえ思えますが、尾崎翠に「私の生涯には、ひとつの模倣が偉きい力となつてはたらいていはしないであらうか」と呟かせたのは、まぎれもなくこの時代の空気であったのではないでしょうか。

m.k.