2525稼業ライブ情報

第34回西荻ブックマークに出演した2525稼業。西荻窪の隣駅、荻窪でのライブのお知らせです。


9月のライブのお知らせです。
今月は荻窪のアトリエハコで行われる、
andre andoと柳田亮さんの二人展「散歩」オープニングパーティーにてライブします!

「EXPO SAMPO 散歩 ryo yanagida x andre ando」
日時:2009年9月18日(金)opening party18:00start live 19:30start
会場:荻窪・アトリエハコ
杉並区荻窪5-1-12 03-5397-6222
料金:無料


田中栞『書肆ユリイカの本』

書肆ユリイカの本

第1回西荻ブックマーク「本を作る―和本と洋本」で講師をされた田中栞さんの著書『書肆ユリイカの本』(青土社)が発売されました。

田中栞
『書肆ユリイカの本』

A5判/270頁/定価2520 円(本体2400 円)
ISBN 978-4-7917-6465-5

小さな出版社の大きな遺産
原口統三、稲垣足穂、那珂太郎、中村稔、飯島耕一、吉岡實、清岡卓行、大岡信、入沢康夫……。燦然と輝く戦後詩人の初期作品を大胆に出版し、現代詩の行方を決定づけた小さな出版社・書肆ユリイカ。その詩集・戯曲・翻訳・雑誌などを幾多の困難も排して徹底追求し、蒐集・鑑賞・調査と、あまりにも巨大なる遺産を自在かつ緻密に愛で尽くした情熱の書。


「古書の日」記念
「書肆ユリイカの本」展

*「書肆ユリイカの本」展

入場無料
会期 2009年10月4日(日)~10月11日(日)10:00~18:00 *会期中無休
会場 東京古書会館2階ギャラリー
東京都千代田区神田小川町3-22
電話 03-3293-0161
http://www.kosho.ne.jp/honbumap/kaikan.html
後援 青土社、東京古書組合

田中栞が10年かけて蒐集してきた、書肆ユリイカの美しい本と雑誌の数々、約330冊を堂々展示します。
中村稔、飯島耕一、中村真一郎、岸田衿子、滝口雅子など、名だたる詩人たちの第一詩集が勢揃い。
本づくりの名手・伊達得夫が世に送った、瀟洒な書物群は、商業出版でありながら、手作り感と工夫に満ち、魅力的な個性を演出しています。
ブックデザインの参考になるアイディアも盛りだくさん!

*田中栞の豆本ワークショップ『『書肆ユリイカの本』の作り方』

(A8判、布表紙角背上製64頁、栞と花布つき)を作ります。
2009年
10月9日(金)14:30~17:00
10月10日(土)10:30~13:00/14:30~17:00
10月11日(日)10:30~13:00/14:30~17:00
受付はそれぞれ10:00、14:00からです。
各回同内容、1回で完成。
初心者向きです。田中がきちんとフォローするので、必ずできます。

会場 東京古書会館2階ギャラリー
参加費3500円(材料費込み、道具貸与)
*要予約 お問合せ・ご予約は田中栞へ
電話045-431-1260
メールkoubaido@cam.hi-ho.ne.jp

*記念トークショー「書肆ユリイカの本、人、場所」

出演 奥平晃一(田村書店店主)×郡淳一郎(元・青土社『ユリイカ』編集長、校閲者)×田中栞
2009年10月5日(月)18:00開場 18:30~20:00
入場無料
会場 東京古書会館内

戦後すぐの時代、神保町の路地裏にあった書肆ユリイカ。
その表通りに位置する神保町の名店・田村書店の奥平晃一氏が、当時の書肆ユリイカを、往年の詩人たちの姿を、はじめて証言する!
古書買い歴30年の愛書家であり、現代詩人たちから全幅の信頼を寄せられているカリスマ編集者・郡淳一郎氏が、詩書界・出版界・古書業界の現状と時代背景について、詳細な解説を展開する。
書肆ユリイカの本の美しさに魅せられ、蒐集と書物調査に10年を費やしてきた田中栞が、
その数々の美しい実例を紹介する。
古書購入テクニックや、本づくり・ブックデザインのヒントも満載、古書の縁で結ばれた3人が、神保町で繰り広げる、画期的な書物トーク!

田中栞日記
http://blogs.yahoo.co.jp/azusa12111


朗読劇「アップルパイの午後」

朗読劇「アップルパイの午後」チラシ

朗読劇「アップルパイの午後」

尾崎翠原作
朗読・活弁:澤登翠
ギター:湯浅ジョウイチ


刺繍文様のような物語と、
女性弁士による華麗な話芸。
「二人の翠」が織り成す
文芸と映画の芳ばしい秋のソワレ。


★特別同時上映
「モダン怪談100,000,000円」(1929年 松竹)
DVD上映 協力 NPO法人映画保存協会

日時:2009年9月26日(土) 18:40開場/19:00開演
会場:ヤマナシ ヘムスロイド YHIギャラリー
出演:朗読・活弁・澤登翠 ギター・湯浅ジョウイチ
料金:3,000円(ドリンク付き、全自由席/40名様限定 要予約)
ご予約/お問い合わせ:ヤマナシ ヘムスロイド
(10:30~18:30、土曜日は18:00まで。休日:日・月・祝)
Tel.03-3470-3119 Fax.03-3470-2669 mail@yhi1971.com


2525稼業ライブ情報

第34回西荻ブックマークに出演した2525稼業のライブのお知らせです。


どなたでもウェルカムなイベントなので、ぜひぜひ遊びに来て下さい☆

「島津山フェステバル ’09(通称:島フェス)」
日時:2009年8月22日(土)18:00〜22:00
会場:五反田・島津山ハウス 2階&屋上
料金:2500円(飲み放題+食事+etc..)
タイムスケジュールは【島フェス】ブログをチェキ(2525の出番は20時30分〜21時ごろです)!

夏の一晩を2525とご一緒に!


ご来場ありがとうございました!(第34回西荻ブックマーク「ガルボのように 1920-30年代東京・モダンガールとしての尾崎翠」)

『KAWADE道の手帖 尾崎翠 モダンガアルの偏愛』『第七官界彷徨』の二冊の刊行記念イベントとして開催された第34回西荻ブックマークは、尾崎翠が東京で作家活動をしていた1920-30年代に焦点をあて、「モダンガール」としての尾崎翠を、その時代の音楽・映画・海外文学の受容など様々な角度から浮かび上がらせるという試みでした。


2525稼業

第一部はachacoとsaraの歌のユニット2525稼業のライヴ演奏。キャンディー・カラーの色違いのサンダル、胸には大きな蘭の花を付けて真っ白な衣装に身を包んだお揃いのコスチュームが何とも可愛らしい! 作詞作曲を手がける高橋裕氏のアコースティックギターにのせて二人の透明感のある唄声が会場一杯に響き渡ります。今回は特別に創樹社版の全集月報に掲載されている『歩行』の詩をアレンジした曲や小野町子にちなんだ『小町』、樋口一葉の『にごりえ』など翠文学を想起させる曲の数々を聞かせてくれました。また、『東京行進曲』をはじめ、二村定一やエノケンのメドレーなど、尾崎翠もきっと口ずさんだであろうモダン都市・東京の流行歌を、懐古調ではなく斬新なアレンジとたのしい楽器とで現代のポップスとして甦らせる手腕は2525稼業ならではのもの。会場からは大きな拍手が贈られていました。


第2部

第二部は西荻ブックマークのスタッフでもあり今回の企画を担当した木村カナさん、第一部で素敵な唄声を披露したachacoこと平山亜佐子さん(戦前不良少女研究家という肩書きも!)、アメリカ文化を専門に翻訳・批評・演劇など幅広い分野で活躍されている小澤英実さんによるトークセッション。

The Modern Girl Around the World

まず、話題は「モダンガール」という言葉をおさらいするところから始められました。日本において最初にこの言葉を使ったという北澤長梧(秀一)「モダン・ガールの表現――日本の妹に送る手紙」を木村さんが紹介するとともに、小澤さんと平山さんが補足として同時代的に発生した「モダンガール」という現象をゼルダ・フィッツジェラルドやクララ・ボウなどの例を挙げながら言及されていました。政治的でアクティヴィストとしてのNew Womenとファッションや性的魅力(=イット)に重きを置くModern Girlの違いについての小澤さんの話が印象的で、紹介されていた”The Modern Girl Around the World”という本もかなり気になります。

モガモボ狩り新聞記事

また、断髪洋装の「モダンガール」が略語の「モガ」になるとネガティヴなイメージで語られるという話も。その一例として平山さんが挙げられたのは、当時の新聞記事の見出しで「モガ」=「不良」という図式が読み取れるというもの。クロシェ帽を目深に被ったモダンガール・尾崎翠が不良モガ「ガルボのお政」と新宿武蔵野館という同じ空間で映画を楽しんでいたかもしれない、という空想は私たちをわくわくさせてくれるに十分です。

尾崎翠スライドグレタ・ガルボ/長谷川泰子スライド

そして、今回のイベント名にもなっているキーワード、グレタ・ガルボについての話題もありました。代表作『第七官界彷徨』を執筆していたころの尾崎翠は、グレタ・ガルボを気どって黒い洋装をし、断髪した赤いちぢれ毛で肩を怒らせて闊歩していた、文字通りのモダンガールだったという大田洋子の回想を紹介。また、同じ頃、中原中也と小林秀雄の恋人で「グレタ・ガルボに似た女」と呼ばれた女優・長谷川泰子についても写真とともに紹介され、同時代のモダンガールとしての二人の対比も興味深いものでした。

海外文化の安易な模倣が巷に溢れ、それを享楽のうちに受容していたモダン都市・東京。1920-30年代の東京で花開いたモダン都市文化の模倣をめぐる狂躁ぶりは、現代から考えるといくぶん滑稽にさえ思えますが、尾崎翠に「私の生涯には、ひとつの模倣が偉きい力となつてはたらいていはしないであらうか」と呟かせたのは、まぎれもなくこの時代の空気であったのではないでしょうか。

m.k.