平出隆『鳥を探しに』

第37回「読むこと・歩くこと・書くこと」にご出演をいただいた平出隆さんの新刊『鳥を探しに』(双葉社)が刊行されました。

鳥を探しに

平出隆
鳥を探しに

発売日:2010年01月20日
定価:3,990円 (本体 3,800円)
判型:四六判
ISBN 978-4-575-23685-9

本の紹介
「瞬間を丹念に記憶の中からすくいあげ、連記し、その世界すべての命をよみがえらせた散文の力に、快く屈した」と辛口の評論家に言わしめた名文を、「本物」を待ちわびた読者に。散文・詩集においても数々の賞を受賞した著者が描く二冊目の小説。

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株式会社双葉社 | 鳥を探しに

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『ドノゴトンカ Donogo-o-Tonka』創刊前夜号

第37回「読むこと・歩くこと・書くこと」に出演された扉野良人さん編集・発行のモダニズム探求誌『ドノゴトンカ Donogo-o-Tonka』の創刊前夜号/0.5号が刊行されました。

ドノゴトンカ創刊前夜号

『ドノゴトンカ』創刊前夜号(りいぶる・とふん)
定価1,000円(税込)

特集=辻潤遺墨

辻潤 遺墨
半重力の書法 山本精一×細馬宏通
辻潤と吉行淳之介 荻原魚雷
×と○ 細馬宏通
辻潤と稲垣足穂と 附・正岡蓉「新花鳥文人往来」 高橋信行
「ゼロ」への憧れ 『大菩薩峠』を読む辻潤 野口良平
居候論 辻まことからみた父親 大月健
辻潤年譜 作成・高木護、菅野青顔 再編・扉野良人

歩兵の物語 季村敏夫『山上の蜘蛛 神戸モダニズムと海港都市ノート』書評 内堀弘
樹木の墓標 内堀弘『ボン書店の幻 モダニズム出版社の光と影』書評 季村敏夫

編集 扉野良人、校正 郡淳一郎・木村カナ、辻潤作品撮影 藤井豊、表紙テキスト翻訳 細馬宏通・野中モモ、書容設計 羽良多平吉・米倉みく@EDiX 、発行人 井上迅


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とある二都物語 対話-季村敏夫×内堀弘

第3回「西荻で古本とか古本屋のことを―誰にも作れない古本屋は、なぜ誰にでも作れるのか―」にご出演をいただいた、古書肆石神井書林・内堀弘さんの神戸でのトークイベントのお知らせです。

■トークイベント
とある二都物語
山上の蜘蛛、あるいはボン書店の幻 モダニズム詩の光と影
対話-季村敏夫×内堀弘
司会-北村知之

『山上の蜘蛛』と『ボン書店の幻』は、ともに「モダニズム(詩)」を主題にした詩人たちの物語です。その出生において時と場所を異にしながら、この二書はどこか兄弟に喩えたい気持ちを抱かせます。時代の苛酷さはグラデーションのように色の濃淡を変えて今を染めあげています。詩人たちはいつもその苛酷さに晒されて立ちつづけてきました。痕された詩集、詩誌はその姿をわたしたちに辛うじて教えます。おふたりの労作はポンペイの遺跡で見つけられた不自然な空隙に石膏を流し込んだ考古学者のように、詩人たち(ボン書店主・鳥羽茂は出版人である前に詩人であった)を生きた姿でとりだす作業でした。

戦争前夜のふたつの都市の片隅に舞い降りて消えていった言葉の断片。おふたりの対話はきっと、ページの上で消え入る言葉をふたたび舞わせ、かつてそれが舞い降りてきた空の方角を指し示すにちがいありません。

オープニング音楽
かえるさん(細馬宏通)
にしもとひろこ(from たゆたう)

主催-りいぶるとふん ‘ドノゴトンカ Donogo-o-Tonka’
共催-塩屋音楽会/震災まちのアーカイブ
場所-旧グッゲンハイム邸 http://www.geocities.jp/shioyag/index.html
655-0872 神戸市垂水区塩屋町3丁目5-17
Tel: 078-220-3924 Fax: 078-202-9033
JR山陽塩屋駅、北側線路沿いを東へ200m後、トンネルをくぐり、さらに100m、遮断機を越え、すぐ。駅より徒歩5分。
*駐車場はありません。

日時-12月22日(火)冬至
16:00 開場
16:53 開演
音楽-かえるさん(細馬宏通)
にしもとひろこ(from たゆたう)
18:00 季村敏夫×内堀弘トーク
20:00 終演

※開演時間は冬至の日の入り16:53(神戸)に因んで。17時開演とお考えください。日没の海を眺めながらはじまります。

料金-予約 2,000/当日 2,500
予約・問い合わせ-旧グッゲンハイム邸事務局
(TEL:078-220-3924 FAX:078-202-9033 E-mail:guggenheim2007@gmail.com)
※ご予約送信の際に、ご希望の鑑賞日、お名前、電話番号、枚数を明記下さい。

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ご来場ありがとうございました!(第37回西荻ブックマーク「読むこと・歩くこと・書くこと」)

平出隆×扉野良人

第37回西荻ブックマークでは、平出隆さんと扉野良人さんをゲストにお迎えしました。

お二人はもともと多摩美術大学の教師と生徒の間柄。対談の前半はその当時の回想からはじまり、出逢うきっかけとなった詩学の授業について、共に出掛けた大学主催のヨーロッパ旅行について、お二人にとっての旅することと書くことを巡る姿勢についてなど、ときにユーモアを交えながら語り合っていただきました。とりわけ印象的だったのは、これを師弟対談と名しているが実は師は扉野さんであった、ということ。その証拠に、扉野さんは平出さんに、折にふれて「この本を読むように」と入手した本を進呈されていたそうです。ヨーロッパ旅行の際には、扉野さんがローマの古本屋でエズラ・パウンドの豆本を見つけて平出さんに手渡したことがあったそうで、お二人ともそのことをしみじみ述懐されていたのには類い稀なる美しい師弟関係の一端を見た気がしました。

休憩をはさんだ後半では、現在平出さんが執筆中の新作(『鳥を探しに』12月発刊予定)や扉野さんがゼミ時代に制作した冊子などについて話題が展開し、これからの本の流通のあり方にも言及される刺激的な一幕もありました。また、扉野さんがかねてからたずねたかったという『荒地』の詩人に関する記憶も、平出さんから披露されました。平出さんはその殆どの詩人と相対した機会をお持ちですが、曰く、総じて『荒地』の詩人たちは「投げやり」で「非権威的」であった、と仰ります。扉野さんはじめ客席のみなさまにも特に興味深いお話だったのでは、と感じられました。

しかし、この対談のハイライトは、なんといってもお二人が紡ぎ出す言葉と言葉のあいだに、いくたびも沈黙がおとずれたことではなかったでしょうか。2時間という限られた時間のなかで、ともすれば流れを寸断してしまうはずのこの沈黙は、お二人のあいだではもっとも豊穣な「対話」だったように思えます。例えば大げさに言えば、そこに産み落とされた沈黙とは、偉大なる画家セザンヌが制作のプロセスのなかでキャンバスに出現させた「余白」に匹敵するものですらありました。それを目撃することになった私たちの、なんと幸福であったことか……。

お二人は、師弟の枠をこえ、いずれまたどこかで仕事を共にされることがあるでしょう。今回の西荻ブックマークは、その貴重な仕事の誕生を予感させるに十分なものだったように思います。
最後に、平出隆さん、扉野良人さんのゲストのお二人、ご来場くださった方々、スタッフの方々、その他関係してくださったすべてのみなさま、本当にありがとうございました。心よりお礼申し上げます。

スタッフ:鹿角


nbm第36-40回チラシ

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ほか