ご来場ありがとうございました!(第45回西荻ブックマーク「古本・トロイカ・セッション」)

第45回西荻ブックマーク

今野スタジオマーレにて開催された「古本・トロイカ・セッション」。

ゲストは3人で、『彷書月刊』の編集長・田村治芳氏、石神井書林の内堀弘氏、ライターで均一小僧で、古本といえばこの人・岡崎武志氏。田村氏は前日まで無理だろうと予想されていたが、なんとか来ていただいて、本当にありがたい、豪華な顔ぶれとなった。

会場は40人が集まるほどの大盛況。3人のお話は滑らかに、田村氏のお話はゆっくりと、進んでいった。

トークの前に、西荻ブックマークのスタッフが、『彷書月刊』編集部を訪れる一場面がスクリーンに映し出された。
神保町の『彷書月刊』編集部は階段を上がると、そこには返本の山が……、そして中に入っても本の山、山、あるいは資料の山ばかり。所狭しと言わんばかりにうず高く本が積まれていた。
この神保町の編集部は3つめの場所で、そこから、青林堂のビルも更地になったと話題が移り、「更地になったとこを写真にとって、南伸坊に送った」と田村氏が言っていた。
すると岡崎氏が「僕は古本屋の外観の写真をとりだめしている」とコメントし、将来、高値になるぞ、と予言していたのが面白かった。岡崎氏の言うように、古本のガイド本などをみても、お店の外観はあまり写っていない。

次に『彷書月刊』のなりたちへと話は移行していく。
若月隆一氏が田村氏を編集長にした頃のお話。「彷書月刊」というタイトルは、若月氏の提案で、書物の中を彷徨う、書物をたずねるという意味があるということで、それに決定した。
本を売るには自家目録を作るか、『古書通信』にのせてもらうしかない、それで目録を作るときも90円で送れるように半分以下にしたという。

次に『彷書月刊』の歴史を飾った人達の話が出てきた。新劇といえばこの人、松本克平氏。名優だが、本も出していて、ファンに自分で売っていた。初代発行人の堀切氏が本を出したいといっていたという。日本の映画美術監督の木村威夫氏と、同人雑誌を作ったことがある田村氏は、彼に連載を頼んだこともあった。背広とネクタイで古本屋に行き、しかも均一台をあさるという福田豊氏のお話も出てきた。作家・五木寛之氏のエピソードも出た。彼は竹中英太郎氏への義理から特別に書いてくれたのだった。竹中氏は、五木寛之氏原作の映画に油彩の絵を描いていた。井伏鱒二氏にも執筆依頼したが、彼には書けませんと断られた。

300号も続いたのは毎回特集を組めるだけの多彩な執筆陣がいたということが大きい。だからこそ出会いが特集をつくるという、田村氏の言葉が印象的だった。おまけに「1に出久根、2に中山、3、4がなくて、後はずっとない」と会場を笑わせる一言もあった。編集部の外側だけではなく、内側の強力なメンバー・皆川秀氏の存在も忘れてはならない。彼が来てから編集の出来る雑誌になったと田村氏。インタビューの名人でもある皆川氏は後半の120冊を作った。

古本屋と雑誌作りが上手に連環した。雑誌の特集で要る文献が古本屋にあったりと、互いが孤立せずに連携していった。さらには岡崎氏が言うように、『彷書月刊』が、本の面白がり方を提案し続けたからこそ、ここまで続いた。

田村氏は「古本屋は客によって鍛えられる」と。客が皆、軽い本ばかり求めれば、そういう店になる。ただ、最近はそういう客がいないというか、いるんだが、見えにくくなっている、と語る。ネットや電子書籍の普及のせいで、方向性が見えにくくなってきた、とも。古本屋で新しいことを考える奴は皆無だ、と田村氏。たまに考える人がいる、それが北海道のサッポロ堂書店さんだ、と。この人は「環オホーツク」ということを考えた。日本で考えれば北海道は北方だが、北海道・シベリア・ロシアとこの3つで考えれば南方だと。内堀氏は「全く新しいものを作るのは難しいが、今まであったものを違った風に見る」と言い、岡崎氏も「本を買っていくと物の見方がどんどん狭くなっていく」と。古書会館で、年配の客が「何にもいい本がないのう」と言ったとき、田村氏は「こんなにあるじゃないか」と言った場面を語った。

『彷書月刊』は中綴じから平綴じへと変わっていくが、平綴じの頃は『図書』『波』といったPR誌と見た目が同じで、書店で「え、これ、売るの?」と皮肉を言われた、というほろ苦いネタも出てきた。そんな『彷書月刊』がここまで続くと思っていたか、と岡崎氏に聞かれた田村氏は、定期購読者を3ヶ月・半年・1年の3種類で募集した時に、一番多かったのが半年で、まぁ半年位は続くだろうと思った、と答えていた。

岡崎氏が感動したという『彷書月刊』2008年9月号にポラン書房の石田氏が書いた文章を朗読。「本があれば人はきっときてくれる」という一文が印象的だった。さらに「本の力をないがしろにする巨きな力は、人と人、人とモノとのつながりを引き裂く方にも作用しているようです」と深い言葉で締めくくり、休憩。

後半は『昔日の客』の話でスタート。
関口良雄氏は、大森で25年、山王書房という屋号で古本屋をしていた人で、『昔日の客』は1000部刷られた。
そして、今年、夏葉社から『昔日の客』が復刊された。この夏葉社というのは島田潤一郎氏が一人でやっている超零細出版社だ。

『レンブラントの帽子』の次に『昔日の客』をやるとは!と岡崎氏が驚きを隠さずに理由を尋ねる。島田氏は古本屋の人たちに京都の「善行堂」に行けと言われて、行ったそうだ。梅田の紀伊国屋書店でさえ、『レンブラントの帽子』は10冊しか置いてくれないのに、善行堂は30冊も置いて、しかも売り切ってくれた。そこから、山本善行氏のブログに、『昔日の客』を島田氏に頼んでみようか、と知らない間に書かれていた、と会場を笑いに包む。

会場には関口氏の奥様とご子息も見えていた。ご子息は復刊する本のことで島田氏と何度も話し合われた。この本は何ともいえない布の表紙のてざわりがいい。これは布にしてほしいとご子息が希望をだされ、島田氏も普通のハードカバーで出すよりは30万は高くなるが、OKしたのだ。この本について田村氏が毒舌全開。布はすぐに手ずれをするから、新刊書店で売り切らないとね、と島田氏に忠告。古本屋に流れたら、すぐに一万円になるよ、と。会場の人は殆ど買われました(笑) 表紙を開くとすぐにある山高登氏の版画もご子息がリクエストされた。

「森崎書店の日々」という映画の1シーンでこの本がちらっと登場する。それを聞いただけで、この映画を見なければ、と思ってしまう。書店員が『愛についてのデッサン』という本を読む場面で、カウンターにおかれているのがこの本なのだ。

山王書房では売り上げゼロの日はなかったというエピソードも出た。

ラストはじゃんけん大会となる。音羽館さんからのプレゼント本や、今日のゲスト3人のサイン色紙などをかけてのバトルがしばし繰り広げられて終了。

スタッフ:増田

» 出演者のお一人、岡崎武志さんによるレポートはこちら
西荻の夜 – okatakeの日記 http://d.hatena.ne.jp/okatake/20100927

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デザイン:原田史子

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イベント情報

配付場所:

  • 古書 音羽館(西荻北)
  • 信愛書店(西荻南)
  • 高円寺文庫センター(高円寺)
  • 茶房 高円寺書林(高円寺)
  • 今野書店(西荻北)
  • なずな屋(西荻北)
  • 旅の本屋 のまど(西荻北)
  • 物豆奇(西荻北)
  • にわとり文庫(西荻北)
  • 三人灯(西荻北)
  • BASARA BOOKS(吉祥寺)
  • ささま書店(荻窪)
  • 都丸書店(高円寺)
  • コクテイル書房(高円寺)
  • えほんやるすばんばんするかいしゃ(高円寺)
  • 古楽房(高円寺)
  • 本の家(高遠)
  • 6次元(荻窪)
  • beco cafe(西荻北)
  • ミシェル喫茶室(松庵)
  • クワランカカフェ(西荻北)
  • 古書 花鳥風月(西荻北)
  • ひぐらし文庫(雑司ヶ谷)
  • 百年(吉祥寺)
  • トムズボックス(吉祥寺)
  • 世田谷文学館(芦花公園)
  • よみた屋(吉祥寺)

浜野佐知監督『百合子、ダスヴィダーニヤ』制作資金援助のお願い

第8回西荻ブックマーク「『第七官界彷徨―尾崎翠を探して』上映&浜野佐知監督トークショー」にご出演いただいた浜野佐知監督の新作映画『百合子、ダスヴィダーニヤ』への支援のお願いです。

「女性の視点から性を主体的に観る」という一貫したテーマをもって、これまで300本以上のピンク映画を撮りつづけてきた浜野佐知監督が、 2010年、一般映画としては4本目となる『百合子、ダスヴィダーニヤ』の制作発表を行いました。この作品は平成22年度芸術創造活動特別推進事業助成金を受けています。しかし、映画製作には莫大な資金が必要です。

そのため、浜野監督の新作を楽しみにしている有志たちで、少しでも映画化実現に向けて協力したいと思い、「浜野佐知監督を支援する会」を今年5月に結成し、個人、団体、企業などから幅広く制作資金の援助を募集してきました。支援目標額は1千万円です。

しかし、クランクインが約1ヶ月後に迫った9月10日現在、集まった支援金の合計は1,640,585円。目標金額の5分の1にも届いていません! このままでは映画制作が立ち行かなくなってしまいます!

そこで、みなさまに制作費支援と情報周知のご協力をなにとぞお願いいたします。

支援その1:制作費を支援する!

一口の金額を規定せず、みなさまのご協力をお願いしております。また、10万円以上の支援金を提供してくださる個人、団体、企業などは、映画のクレジットにてお名前を掲載させていただきます。

振込み先:郵便局振替口座 00130-9-727546
加入者名:「浜野佐知監督を支援する会」

※振り込み用紙の通信欄に浜野監督へのメッセージをぜひお寄せください。いただいたメッセージは浜野監督を支援する会のブログに掲載いたします。

支援その2:浜野佐知監督作品のDVDを購入する!

DVDの売上は、すべて『百合子、ダスヴィダーニヤ』制作費にあてられます。
1. 「百合祭」 5,250円(税込)
2. 「第七官界彷徨-尾崎翠を探して」「こほろぎ嬢」 2枚組 8,400円(税込)
3. 1+2の3本セット 12,600円(税込) セットで買うと1,050円お得!
*いずれの場合も送料として別途400円かかります。

≪お申し込み先≫
浜野佐知監督を支援する会事務局
〒283-0802 千葉県東金市東金1407-4
雑貨&カフェ ルバーブ内(11:00~20:00・火曜定休)
TEL&FAX: 0475-53-2323
e-mail:yurikoyoshiko@gmail.com

ご注文商品内容・お名前・お届け先ご住所をお知らせください。ご注文から発送まで3日~5日ほどかかりますので、ご了承ください。

支援その3:この情報を友人知人に知らせる!

この文書全体の転載を歓迎します。どうかお一人でも多くのかたがたに向けてこの情報を広め、『百合子、ダスヴィダーニヤ』の映画化実現を支えてください。

支援その4:フライヤー配布に協力する!

支援金の協力を求めるフライヤーを配布してくださるかた、またフライヤーの設置場所を提供してくださるかた、ぜひご連絡をお願いいたします。フライヤーはA4サイズです。Eメールの場合はyurikoyoshiko@gmail.com(浜野佐知監督を支援する会)まで、FAXの場合は 0475-53-2323まで、必要枚数と送付先をお知らせください。

みなさまのご支援とご協力を心よりお願いいたします。

2010年9月10日
「浜野佐知監督を支援する会」一同

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「北尾トロ~『レポ』とは何か?ぼくが雑誌を作った理由(ワケ)」

レポ創刊号

北尾トロ~
「レポ」とは何か?
ぼくが雑誌を作った理由(ワケ)
聞き手:
ブックスひろしま実行委員長 財津正人

出版不況と言われる現在、あえて新雑誌創刊に踏み切った北尾トロさん。

内容はノンフィクション(ジャーナリスト魂とは無縁のマニアックな記事ばかり!)、販売形式は郵送という異色の雑誌『レポ』。

「『レポ』は、編集人・北尾トロから読者への超分厚い手紙です!」と言い切るトロさんが、創刊の経緯や、周囲の反応など、編集経験ゼロで挑んだ雑誌制作にまつわる悲喜こもごもについて語ります。


■ 日時 2010年11月7日(日)
開場:14時50分
開演:15時~

■ 参加費用  おひとり 1,000円
(18歳以下参加無料。当日年齢確認できるものが必要。未就学児の入場不可。)
*本年度は事前振込は受付しておりません。ご了承願います。

■ 会場  まちづくり市民交流プラザ 北棟5階研修室C
広島市中区袋町6番36号

■ 定員 60名(先着順 定員になり次第締切)

» 詳細、申し込みはこちらから
http://fly8.jp/bookshiro2010-talk05


「すぎなみ再発見!!街トーク『街の魅力~西荻窪編~』」

西荻丼第24号

西荻コム理事長の北尾トロと『西荻丼』編集長の奥秋圭が西荻の魅力を語ります!

『西荻丼』誌面には書き切れなかった街のコネタから「明日から参加できる街づくり」まで、地域活動に興味のある人は必見のトークイベントです。

トークカフェ
すぎなみ再発見!
街トーク
「街の魅力~西荻窪編~」

【日  時】2010年11月5日(金)19時~21時
【場  所】すぎなみNPO支援センター研修室(阿佐ヶ谷地域区民センター4F)
【参加費】無料
【定  員】30名(定員になり次第締め切り)
【申し込み&問い合わせ先:すぎなみNPO支援センター】
http://www.nposupport.jp/

「みんなの『今』を持ち寄ってZINEを作ろう」

シブヤ大学(恵比寿キャンパス)
「みんなの『今』を持ち寄ってZINEを作ろう」
10月16日(土) 14:00-17:00
教室:長谷戸小学校

ZINE(ジン)は、個人や小グループで作る、ごく少部数制作され、
ビジネスの香りがしない、自由でアクティブでもっとも気軽な出版物。
たった4ページだとしても、そこにこめられた作り手の気持ちが伝わる内容なら、
それはもうリッパなZINEなのです。

必要なのは、文章力やデザイン力ではなく、何かを印刷して伝えたいという意気込み。
手書きの文章に写真を切り貼りするだけでもいい。
コピーしてホチキスでとめるだけでもいい。

自己表現とかアートがどうとか理屈を語る前に、手を、足を動かしてモノを作り、見てもらう。
完成度など低くても作り手の体温が感じられるようなホットな媒体、
そして、広告ありきで作られたり、単行本を出すための器であるかのような大部数の雑誌の対極にあるもの、
それがZINE。

今回の授業では、ライターの北尾トロさんを先生にお迎えし、みんなで実際にZINEを作ってみます。
北尾さんは80ページの文字だらけの雑誌「レポ」を編集、発行しています。
「ボリュームなどを考えればZINEとは呼べないものですが、その根本は同じ」
と、北尾さんは言います。
当日はみんなでZINEを作りながら、表現手段としての紙の魅力や、リトルプレス、
ミドルメディアというマスメディアではない世界の話を伺います。

今回のZINEのテーマは「今」。
今、みなさんが気になるもの、好きなもの(文章や写真、イラストなど)を持ち寄ってZINEをつくります。
参加には、技術も経験もいりません。
人の心を動かすパッションを持って参加して下さい。

» 詳細、申し込みは以下から
【10/5追記】受付終了となりました。

フリーペーパー「こ・ら・ぼん」vol.4 できました!

フリーペーパーこ・ら・ぼん第4号、高円寺を中心に配布中です!

こ・ら・ぼんvol.4

特集 「高円寺全古書店巡り」
「古本屋ツアー・イン・ジャパン」の小山さんと「web歩行」の千三屋さんに高円寺の全古書店を巡っていただき、その古書店を象徴する1冊を選んでいただきました。
【広告】第6回ちいさな古本博覧会
こ・ら・ぼんギャラリー 第4回 /渡辺葉子
見たり書いたり読んだり 第4回/みじんこ
一冊目録 (3) えほんやるすばんばんするかいしゃ/『アシナミソロエテ』
小野塚力/偉大なり。ステラー博士
「公園de本の楽市」「縁台ふるほん市」告知



表紙人形制作・解説/Kao
アートディレクター/柴田ユウスケ(soda-design)
デザイナー/柴田ユウスケ、吉田香楠子
写真/竹林省悟

こ・ら・ぼんvol.4ウェブアンケート実施中!!
アンケートに回答された方に中面特集でご紹介した古書を抽選でプレゼントします!