西荻窪駅北口から徒歩1分の場所に、都内最古のビリヤード場「山崎ビリヤード場」があります。
2月27日、その2階をお借りして、出版社を営む3人の方々にお越し頂きました。
アルテスパブリッシングの鈴木茂さん、図書出版クレインの文弘樹さん、そして夏葉社の島田潤一郎さん。3社の共通点は、タイトルにもある通り、吉祥寺に事務所を置いていることです。
床がギシッときしむ、懐かしい昭和の雰囲気が漂う部屋に60人以上の方が集まりました。
ちょうど前日の朝日新聞の文化面(全国版)に、島田さんと文さんがご本人の写真とともに取り上げられた、という嬉しい話もあり、記事のコピーを皆で見ながら、この話題から始まりました。
島田 昨日は興奮した母に8時位に起こされて……過大評価以外の何物でもないです。注文は新たな所からは来てないです。この土日は落ちつきませんでした……。
文 二、三の書店からメール注文がありました。あと、知人から数年ぶりに連絡がありました(笑)
鈴木 全国紙には2回広告を載せたことがありますけど、動きはほとんどゼロでした。でも記事に載ったら期待できますよね。
――スタートしてすぐに笑いが起こり、緊張がほどけます。続いて、吉祥寺という場所については一番古いという文さんからこんな話が。
文 四谷から5年前に移転してきました。別に吉祥寺でなくてもよかったんですが、交通の便が悪いと、著者や友人も来ないだろうなと思い、結果として吉祥寺になりました。ところが思っていたより吉祥寺は家賃が高かったんです。坪1万円以上。四谷ではマンションの一室でしたが広かったものですから倉庫も兼ねていたんです。今は別の場所に倉庫を借り直している。まあ、経費削減にはなってないんです。
鈴木 もともと音楽之友社という出版社にいたのですが、同じく編集をやっていた木村という元同僚と二人で立ち上げました。登記上の本社は木村が住む稲城市にしてあります。最初は月曜社さんのように、それぞれの自宅をオフィスにしていたのですが、スタッフを一人雇い、またお客さんも呼びづらいということもあって、ネットでたまたま見つけたのが、いまの事務所兼ぼくの自宅です。住宅街の中のふつうの一軒家なんです。
島田 僕は駅から近いところに分譲マンションの1室を借りています。しょっちゅう、ブックス・ルーエ、リブロ、ブックファーストに行っています。神保町で毎日棚を眺めているのと、吉祥寺で毎日棚を眺めているのでは、つくるものが変わってくると思う。
鈴木 神保町はうちのスタッフが通勤するにはちょっと遠いんですよ。定期代もバカになりませんしね。それと新しい出版社なので、従来と違うイメージを持ってもらえればとも思ったんです。
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