第95回 西荻ブックマーク 毛利眞人 新刊・刊行記念トークイベント

《 ニッポン エロ・グロ・ナンセンス  》

~モガ・モボ・ソングの世界~ SPレコードを聴きながら・・・

img_4126

 

 

日時:2016年11月20日(日曜日)

開場:16:30
開演:17:00
終演:19:00(予定) 会場:ビリヤード山崎 2階

(東京都杉並区西荻北3-19-6、西荻窪駅北口徒歩1分) 地図はこちら

料金:1,500円 (要ご予約)
定員:40名

【イベント概要】
関東大震災から日中戦争へと至る時代。モボとモガが闊歩したモダン都市では、

ラジオやレコードから刹那で享楽的な音楽が溢れていました。
あまりにも不埒な歌詩と軽佻浮薄なメロディーからは、人びとの欲望と思惑、権力への

反発と諦念が聞こえてくるようです。
第95回の西荻ブックマークでは、気鋭の若手音楽評論家、毛利眞人さんをお迎えし、

日本歌謡史のミッシング・リンクを明らかにしていただきます。
また当時のSPレコードを蓄音機で再生しながら、関連古書のお話しなども紹介していただきます。


【出演者よりひと言】

「昭和初期は暗い時代だった」というイメージには根強いものがあります。
ただ、戦前期の日本を暗黒だったと言いきれるかというと、そうでもありません。
時代はつねに多面的で翳があれば光もあります。 昭和初期は

エロ・グロ・ナンセンス時代とのちに言われるようになります。
出版界や新聞紙面のエロの跋扈は、厳しい思想弾圧によって国民に不満や圧政感が

溜まらないようにするためのガス抜きではないか、
との観測は当時からあったにせよ、芥川龍之介の謂う「ぼんやりした不安」を

裏返しに した刹那的な享楽主義を軍縮とリベラル思想が後押しして、
時代は暗黒どころか軽佻浮薄をきわめたのです。無責任にもほどがあるエロと

ジャズと ゴシップの垂れ流し状態は誰にも手がつけられません。
新聞もラジオもあわよくば享楽的な方向に流れよう流れようとする。そうした世相を

写した 流行小唄や映画主題歌が雲霞のごとく出現しました。

エロで生れてエロ育ち
私しゃ断然エロ娘

こんな歌が平然と歌われていたのです。
主義や思想に敏感な学生を息子にもつ親もまた「テロよりはエロ」

「赤色に染まるなら桃色のほうがマシ」などと言い出す始末。
閉塞感のなかで必要以上にクローズアップされた“エロ”という 念が

あらゆる分野に浸透する……。
そもそもはやり唄とはどの時代にあっても世相を写すものですから

それはけっして珍しい現象ではないといえます。
ただ、昭和初期がユニークなのは、その内容がエロに特化し、

一時はレコード歌謡がエロ一色に塗り立てられたことにあります。
エロ・グロ・ナンセンス時代に大量に作られ消費されたエロ歌謡群は、

いつしか忘却の底に沈みました。
まさに日本歌謡史におけるミッシング・リンクといってよいでしょう。 それらを拾い上げ、

つなぎあわせ、戦前の日本人が感じたエロを、 その誕生から滅亡までたどってみたいと思います。


【出演者プロフィール】
毛利眞人(もうり・まさと)
1972年、岐阜県郡上市生まれ。音楽評論家。高校時代より地元紙にコラムを寄稿。

大阪芸術大学中退後、中古レコード店勤務を経てライターとなる。
戦前昭和のクラシックと軽音楽にたいする造詣は深く、なかでも貴志康一と 二村定一の

研究では余人の追随を許さない。
2001年から2011年まで関西発NHKラジオ深夜便「懐かしのSP盤コーナー」に

音源と解説を提供。また『日本SP名盤復刻選集』(ローム)をはじめとして、
SP盤復刻CDにも音源提供・解説で参加。現在は主として「ぐらもくらぶ」で CD監修し、

SP盤を用いたミュージアムコンサートやイベントもおこなっている。
著書に『貴志康一 永遠の青年音楽家』(国書刊行会)、 『ニッポン・スウィングタイム』

『沙漠に日が落ちて 二村定一伝』(ともに講談社)、
『モダン心斎橋コレクション』(共著、国書刊行会)などがある。

【企画協力】 けむり堂


第94回 西荻ブックマーク 柳澤健×沼辺信一トークショー「林美雄とパックインミュージックの時代」

IMG_3934
イベントは盛会にて、終了いたしました。
ご来場くださった皆様、ありがとうございます。

日時:2016年8月28日(日)

開場:16時30分
開演:17時
終演:19時(予定)
会場:ビリヤード山崎 2階 (東京都杉並区西荻北3-19-6)
料金:1,500円 (要ご予約)
定員:50名

 

【イベント概要】

ユーミン、《八月の濡れた砂》、タモリ、橋本治、野田秀樹・・・
あの音楽も、映画も、才能も、TBSアナウンサー林美雄が見つけて世に出した。
1970年代、若者たちから熱烈に支持された伝説の深夜ラジオ番組に光を当てた新著『1974年のサマークリスマス 林美雄とパックインミュージックの時代』が巷で話題になっています。

 

第94回西荻ブックマークでは、この本の著者でノンフィクションライターの柳澤健さんをお迎えし、なぜ林美雄という存在に惹かれたのか、当時

「林パック」がどのように聴かれたのか、今この時代を採り上げる意味などについて、縦横に語っていただきます。
聴き手は当時の熱心なリスナーで、取材対象として本の成立に貢献した沼辺信一さん。

 

沼辺さんは10年前、西荻ブックマークの第2回イベント「誰も知らなかったロシア絵本」にも登場されています。

本当にいいものは隠れている。だから自分で探さないといけないと林さんは言った。

自分が人知れず埋もれていたロシア絵本を発掘できたのも、林さんの精神に導かれたお陰かも」と沼辺さん。

 

70年代の青春をめぐって繰り広げられるお二人の白熱トークを、

3日遅れですが「2016年のサマークリスマス」にお届けいたします。

 

【出演】

柳澤健(やなぎさわ・たけし)
1960年生まれ。文藝春秋で『週刊文春』『Number』などの編集者を経て独立、
ノンフィクションライターとして『1976年のアントニオ猪木』
『1985年のクラッシュ・ギャルズ』『日本レスリングの物語』
『1964年のジャイアント馬場』などを上梓している。吉祥寺在住。

 

沼辺信一(ぬまべ・しんいち)

1952年生まれ。フリーの編集者を経て川村記念美術館で学芸員を15年ほど務めた。
50歳でリタイアしてからは千葉で悠々自適の日々を送る。
著書は『12インチのギャラリー』、『幻のロシア絵本 1920-30年代』(共著)など。

第92回 西荻ブックマーク 鎌倉幸子×南陀楼綾繁トークイベント 「本と街と○○と」 〜本で地域に何ができるか〜

41-sk1-b6gL._SX274_BO1,204,203,200_

ご予約につきましてはこちらのメールフォームをご利用ください。電話または店頭でのご予約もできます。

 

日時:2016年6月18日(土)
開場:17時00分
開演:17時30分
終演:19時30分(予定)
会場:ビリヤード山崎

東京都杉並区西荻北3丁目19−6

http://yamazakibilliard.nighttalker.net/

料金:1,500円(ワンドリンク付)
定員:40名

東日本大震災後の岩手で移動図書館事業を立ち上げた顛末を描いた「走れ!移動図書館」(ちくまプリマ―新書)著者 鎌倉幸子さんと、全国規模で広がりを見せる一箱古本市の仕掛け人 南陀楼綾繁さんによる、本と街をテーマにしたトークイベントです。各地を歩いてきたお二人に、ざっくばらんにお話していただきます。

東日本大震災から5年、熊本地震から2カ月。震災直後に現地で感じたことなど、お二人ならではのリアルなお話をいただきます!
活躍の舞台を広げ続ける鎌倉さんと南陀楼さん。最近も様々な場所に出没されては楽しいトークを繰り広げているとか。
そんなお話も聞けるかも⁉︎

※本トークショーによる収益は、公益社団法人シャンティ国際ボランティア会 熊本地震に募金させていただきます。

【出演者プロフィール】
鎌倉幸子さん
青森県生まれ。シャンティ国際ボランティア会でカンボジアでの図書館事業や絵本・紙芝居の出版に携わる。東日本大震災発生直後に岩手県に入り、津波被害を受けた地域で移動図書館プロジェクトを立ち上げた経験を元に『走れ!移動図書館』(ちくまプリマー新書)を刊行。現在、ライターや広報・PRのコンサルタントなど、フリーで活動中。

南陀楼綾繁さん
1967年、島根県出雲市生まれ。ライター・編集者。2005年から谷中・根津・千駄木で一箱古本市を開催する「不忍ブックストリート」の代表として、各地のブックイベントに関わる。「一箱本送り隊」呼びかけ人として、石巻市で本のコミュニティ・スペース「石巻まちの本棚」の運営にも携わる。著書『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書)、『谷根千ちいさなお店散歩』(WAVE出版)、『ほんほん本の旅あるき』(産業編集センター)ほか。


第91回西荻ブックマーク 都築響一×森永博志トークショー 「編集者の時代 70’s -10’s」

tsuzukimorinaga

【満員御礼】定員に達したため、予約は締め切らせていただきます。

ご応募誠にありがとうございました!

 

日時:2016年2月28日(日)

開場:16時30分
開演:17時
終演:19時(予定)
会場:ビリヤード山崎
料金:1,500円
定員:50名

 

初期『ポパイ』『ブルータス』で仕事をしていた都築さんと森永さん。ともに60代ながら、バリバリの現役編集者であるおふたりが、奇しくも昨年、そろって自身のキャリアを振り返るような本を刊行されました。

『圏外編集者』(朝日出版社)と『あの路地をうろついているときに夢見たことは、ほぼ叶えている』(パルコ出版)です。
両書の刊行を記念して、編集と出版をめぐるトークイベントを開催します。公の場ではじめての顔合せとなるおふたり。

マガジンハウス時代のエピソード、これまで出会った人々の記憶、雑誌や本作りの醍醐味、出版のこれから等々、自在に語っていただきます!

 

出演/

都築響一(つづき・きょういち)

1956年生まれ。編集者。『ポパイ』『ブルータス』編集部を経て、「Art RANDOM」シリーズ、『TOKYO STYLE』など、現代美術・居住空間に関する書籍を手がける。96年刊行の『ROADSIDE JAPAN 珍日本紀行』では木村伊兵衛賞を受賞している。著書に『夜露死苦現代詩』『ヒップホップの詩人たち』『独居老人スタイル』『東京右半分』『ROADSIDE BOOKS』など多数。

 

森永博志(もりなが・ひろし)
1950年生まれ。編集者。『ポパイ』『ブルータス』編集部を経て、『小説王』(角川書店)を創刊。その後も『スネークマンショー』カセットブックや『PATAGONIA PRESENTS』など、数多くの雑誌や書籍を手がけつづけている。著書に『原宿ゴールドラッシュ』『ドロップアウトのえらいひと』『自由でいるための仕事術』『シャングリラの予言』(立川直樹との共著)『幻覚より奇なり』(田名網敬一との共著)など多数。


第90回西荻ブックマーク 手塚治虫とその時代 担当編集者が語る天才の素顔

teduka

ご予約につきましてはこちらのメールフォームをご利用ください。電話または店頭でのご予約もできます。

 

日時:2016年1月30日(土)

開場:16時30分
開演:17時
終演:19時(予定)
会場:信愛書店en=gawa(リンク先に地図あり)

料金:1,500円
定員:30名

 

第47回西荻ブックマーク「70年代はやっぱり劇画の時代だった」にご出演いただいた、元編集者の橋本一郎さんが、

担当編集者として見た手塚治虫との日々を描いた回想録『鉄腕アトムの歌が聞こえる 手塚治虫とその時代』(少年画報社)を

刊行されました。

 

「鉄腕アトム」アニメ化~劇画の隆盛、虫プロの倒産~「ブラックジャック」での復活、と波瀾万丈だった手塚の60~70年代、

編集者として手塚と時代を併走した橋本さん。

 

同書は、TVアニメ版『鉄腕アトム』の誕生秘話や、人間味あふれる手塚の記憶、一癖も二癖もある個性的な「手塚番」の

編集者たち……戦後マンガ史の一面を知る貴重な資料であり、同時に無類に楽しい読物でもあります。

今回は、橋本さんに天才・手塚との付き合いや、手塚の周囲に集った出版人たちのエピソードをたっぷりうかがいます。

聞き手は、47回にも出演していただいた編集者・赤田祐一さんです。

 

出演:橋本一郎/元少年画報編集者。「サンコミックス」創刊編集長

赤田祐一/編集者。「クイックジャパン」創刊編集長。現在は「スペクテイター」編集部に在籍

【出演者より】
私は4年半がかりで『鉄腕アトムの歌が聞こえる』を書き上げました。
そして帯の惹句を頼まれたとき、ためらわず
「あの天才の熱筆する姿を見た。心が震えた。凄すぎる。
手塚ほどマンガを愛し、マンガに愛された男はいなかった」
という原稿を渡しました。
手塚先生とは63年、鉄腕アトムの主題歌をソノシートしてミリオンセラーになったのに始まり、
『増刊ヤングコミック』に75年1月まで「鉄の旋律」を連載したおつきあいになります。
私が居合わせた、その創作現場を見たままに私自身の言葉で語りたいと取りかかったのです。
それはイカロスの挑戦のようなものだったかもしれません。
そこで私があらためて気づいた手塚の素晴らしさや凄さ、またどうしても書けなかったことなど、この際、
心のままに熱く語りたいと思っています。ぜひお出かけください。

                           橋本一郎