コレクターを超えて
-趣味人になりたかった生田さん-
今の生田さんにとって、誰も持っていない珍しい絵葉書を所有したいとか、コレクションの量を誇りたいとか、コレクターが普通持つだろう欲望はすでに卒業していたのだ。
そうしたら「その絵葉書はもう手放してもかまわない」
10数年で8万枚ものコレクションを築き上げたのだ、悩ましく眠れない夜もあったに違いない。
また(これは実際には話してくださらなかったが)何処にでもある権謀術数の世界に巻き込まれたこともあったようだ。
だからそんな料簡の狭いマニアの世界から離脱したのかもしれない。
まるで「そこに山があるから」とでも言いたげな潔さ。
コレクターによくある貪欲さは微塵もなかった。
それが今回のイベントで理解できた。
京都の料亭が実家だった生田さん。ご家族、親戚、お客様の文人たち、多彩な趣味の大人に囲まれて育つ。
いつしか生田少年は、わたしも将来そんな趣味人になりたいと思ったそうだ。
» 【生田さんの絵葉書のコレクションが次のサイトでご覧いただけます。】
http://search.dnparchives.com/WEB/feature/tk_ikuta.html
(このサイトの「作品一覧」をクリックしてください。
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第58回西荻ブックマーク 『絵葉書とスカイツリイ』~世紀を超える紙(片)~