2009年11月15日(日)
第37回西荻ブックマーク
「読むこと・歩くこと・書くこと」
平出隆×扉野良人師弟対談
会場:今野スタジオマーレ 開場16:30/開演17:00 料金:1500円(会場でお支払い下さい)
定員25名 要予約
ご予約人数が定員に達しましたのでご予約受付を締め切りました。
多摩美術大学芸術学科で教鞭をとられている詩人・作家の平出隆さんと、そのゼミのご出身で僧侶・エッセイストの扉野良人さん。
例えば平出さんが「海の背広」という短編で、川崎長太郎から譲り受けた背広をヨーロッパへの旅に持ち出す様子を描けば、扉野さんは「ぼくは背広で旅をしない」というエッセイで、石川啄木や萩原朔太郎の詩歌から背広を着て旅に出かける一節を紹介しつつ“旅に対する時代感覚”の違いを表す―――書かれたときは異なれど、「旅」と「背広」についてわざわざ思いを巡らせて書く、しかもタイトルに記す、というお二人の感性は、師弟関係であること以上の何かを物語っているのでは、と楽しく想像力を刺激してくれます。
「詩と散文」「パサージュ」など、そのほか共有されているキーワードや固有名も引き合いとしながら、ゆるやかに語り合っていただく2時間です。
平出隆(ひらいで・たかし)
1950年、福岡生まれ。著書に、詩集『胡桃の戦意のために』(思潮社:芸術選奨文部大臣新人賞)、『左手日記例言』(白水社:読売文学賞)、散文集『ベルリンの瞬間』(集英社:紀行文学大賞)、小説『猫の客』(河出書房新社:木山捷平文学賞)など、受賞作多数。また、『伊良子清白』(新潮社:芸術選奨文部科学大臣賞)や『伊良子清白全集』(岩波書店)編纂などによる全業績で藤村記念歴程賞を受賞する一方、三重県鳥羽市に7月に開館した「漂泊の詩人 伊良子清白の家」の展示設計にも深く関わるなど、近年も伊良子清白に関する仕事で活躍中。
- TAKASHI HIRAIDE laboratrium
http://www.wwalnuts.jp/lab/
扉野良人(とびらの・よしひと)
1971年、京都市生まれ。94年、多摩美術大学芸術学科にて平出隆ゼミで学ぶ。95年、卒業と同時、京都の生家の寺へ戻り僧侶として現在に至る。『sumus』『modernjuice』『CABIN』などへの寄稿をまとめた初のエッセイ集『ボマルツォのどんぐり』(晶文社)を2008年に上梓。モダニズム探求誌『Donogo-o-Tonka ドノゴトンカ』(りいぶる・とふん)を編集・発行。また2009年6月刊行の季村敏夫との共編著『Love is 永田助太郎と戦争と音楽』(震災・まちのアーカイブ)は、戦争前夜の昭和十年代に活躍したモダニズム詩人、永田助太郎の詩群を現在に問う試みとして編まれた。