《 ニッポン エロ・グロ・ナンセンス 》
~モガ・モボ・ソングの世界~ SPレコードを聴きながら・・・
日時:2016年11月20日(日曜日)
開場:16:30
開演:17:00
終演:19:00(予定) 会場:ビリヤード山崎 2階
(東京都杉並区西荻北3-19-6、西荻窪駅北口徒歩1分) 地図はこちら
料金:1,500円 (要ご予約)
定員:40名
【イベント概要】
関東大震災から日中戦争へと至る時代。モボとモガが闊歩したモダ
ラジオやレコードから刹那で享楽的な音楽が溢れてい
あまりにも不埒な歌詩と軽佻浮薄なメロディーからは、人びとの欲
反発と諦念が聞こえてくるようです。
第95回の西荻ブックマークでは、気鋭の若手音楽評論家、毛利眞
日本歌謡史のミッシング・リンクを明らかにし
また当時のSPレコードを蓄音機で再生しながら、関連古書のお話
【出演者よりひと言】
「昭和初期は暗い時代だった」というイメージには根強いものがあ
ただ、戦前期の日本を暗黒だったと言いきれるかというと、そうで
時代はつねに多面的で翳があれば光もあります。 昭和初期は
エロ・
出版界や新聞紙面のエロの跋扈は、厳しい思想弾圧によって国民に
溜まらないようにするためのガス抜きではないか、
との観測は当時からあったにせよ、芥川龍之介の謂う「ぼんやりし
裏返しに した刹那的な享楽主義を軍縮とリベラル思想が
時代は暗黒どころか軽佻浮薄をきわめたのです。無責任にもほどが
ジャズと ゴシップの垂れ流し状態は誰にも手がつけられ
新聞もラジオもあわよくば享楽的な方向に流れよう流れようとする
写した 流行小唄や映画主題歌が雲霞のごとく出現
エロで生れてエロ育ち
私しゃ断然エロ娘
こんな歌が平然と歌われていたのです。
主義や思想に敏感な学生を息子にもつ親もまた「テロよりはエロ」
閉塞感のなかで必要以上にクローズアップされた“エロ”という 概
あらゆる分野に浸透する……。
そもそもはやり唄とはどの時代にあっても世相を写すものですから
それはけっして珍しい現象ではないといえます。
ただ、昭和初期がユニークなのは、その内容がエロに特化し、
一時
エロ・グロ・ナンセンス時代に大量に作られ消費されたエロ歌謡群
いつしか忘却の底に沈みました。
まさに日本歌謡史におけるミッシング・リンクといってよいでしょ
つなぎあわせ、戦前の日本人が感じたエロを、 その誕生から滅亡までたどってみた
【出演者プロフィール】
毛利眞人(もうり・まさと)
1972年、岐阜県郡上市生まれ。音楽評論家。高校時代より地元
大阪芸術大学中退後、中古レコード店勤務を経
戦前昭和のクラシックと軽音楽にたいする造詣は深く、なかでも貴
研究では余人の追随を許さない。
2001年から2011年まで関西発NHKラジオ深夜便「懐かし
音源と解説を提供。また『日本SP名盤復刻
SP盤復刻CDにも音源提供・解説で参加。現在は主として「ぐら
SP盤を用いたミュージアムコンサート
著書に『貴志康一 永遠の青年音楽家』(国書刊行会)、 『ニッポン・スウィングタイ
『沙漠に日が落ちて 二村定一伝』(ともに講談社)、
『モダン心斎橋コレクション』(共著、国書刊行会)などがある。
【企画協力】 けむり堂