ご来場ありがとうございました!(第75回西荻ブックマーク「古ツアさんが、再びやって来た!!」)

第75回西荻ブックマーク

まずは岡崎さんが小山さん(以下古ツアさん)について紹介を始める。
今回刊行された本の題名にもなっているが、古ツアさんが書いているブログ(古本屋ツアー・イン・ジャパン)の名前の由来についてまずは聞かれる。
古ツアさん曰く、日本全国古本屋めぐりとかではダサイ。古ツアさんが同行してるバンドにしてもミュージシャンのツアー名は格好いいからそこからこの名前にしたとのことだ。
2008年5月から始めた古本屋ツアー。最初はさらっとした書き方でしかも毎日ではなかった。バンドの全国ツアーが年に2回。その全国ツアーにかこつけて各地の古本屋を巡りだしたのだが、ツアーが終わって、東京に戻ってきて、都内の古本屋を回りだしてから、古本屋ツアーに拍車がかかる。
古ツアさんはバンドの携帯サイトの動画配信などの仕事を担当。バンドのメンバーと一緒に移動するという。お金がなくなるとそのバンドの移動手段も厳しくなっていき、車で九州へも行ったという。
車を改造し、急ブレーキをかけても落ちないように積み込んだ楽器とともに、そこへ人間がテトリスの如く、隙間に乗り込んで移動するのだという。颯爽と全国の僻地の古本屋を駆け巡る古ツアさんの身動きできない状態・・・ちょっとみてみたい。
因みに古ツアさんは自動車免許をお持ちでないそうだ。

ブログを始めて、徐々にコメントもつき、ブログの存在が知られていくようになる。
読まれているなと感じ始めたのが6月というから、初めて1ヶ月そこらですごいことである。
このブログを最初に取り上げたのが書肆紅屋さん。
岡崎さんがいつも笑顔だよねと古ツアさんに言うと、「店では怪しまれないように笑顔で、後ろに手を組んだりしてます」と答え、岡崎さんは納得、会場は爆笑。
「僕も古本屋のことを書いたりするけど、店の外観がこうで、均一があって、入口がこうで・・・とどうしても似通ってしまう。その点、古ツアさんの古本屋の描写は凄い。同じ表現はしないし」と絶賛する岡崎さん。
それに対して古ツアさんはバンドの仕事でスタッフ日記の担当もしてい たことを明かし、「そういうのは多くの人に見てもらうために一日に何度も更新しなければならない(その数、多いときはなんと20回)それで、面白いといってくれる人がでだして、文章を書く自信がついた」と語る。
今回の本のゲラ校正を自分でやっていたが、それでも自分が書いたとは信じられないと語る古ツアさんは「もう一度書けと言われても無理かもしれない」と語る。
また「あったことを作らなきゃいけない辛さがあるよね」と岡崎さんが言うと、古ツアさんは、「テーマを決めたり、一度行った店に再度、行ったりしてあわせ技でやることもある」とブログのネタつくりの裏側を述べる。
途中、今回の本を担当した原書房のHさんがトークに登場。
「原書房としては異色の本だよね」と岡崎さん。この本が生まれるきっかけとなった2011年3月19日の古ツアさん初登場の回の話も出る。この時、古ツアさんとトークしたのが岡崎さんで、「古ツアさんのブログを本にする人、おらんかなあ。早い者勝ちですよ」と言ってたのを胸に刻んでいたのが、そうHさんなのだ。
原書房の社長さんはあちこちの図書館を営業で回っていたらしく、自分の足で回る人だけに全国各地の古本屋をひたすら修行僧の如く、制覇する古ツアさんという人物に理解があったのでしょう。
本を出すことが決まってから2年。ま、それはわかるとして、そこからゲラが出るまで2週間って・・・驚きの一言に尽きます。
全部載せたいのはやまやまながらもそういうわけにもいかず、どういうふうに絞り込んだかもHさんが教えてくださいました。ここんとこを今度、もっと詳しく聞きたいなあ。
まずはデータベースの作成。それから店の特徴などをピックアップする。
Hさん、恐ろしいことに古ツアさんのブログを全部プリントアウトして(どんだけの分厚さだ!)校正したらしい。
「古ツアさんの文章は改行が少なく、やたら!が多い」というHさんの一言には会場のあちこちで笑いがもれる。
古ツアさんが本に載せる店を選びだしたのが今年の春とのことで、4段階評価をつけて選出したらしい。
初期のブログでは空振りしたお店に関して、あまり書いてなかったが、最近は書いているらしい。電話が苦手と語る古ツアさんは電話で確かめず、突撃して空振りすることも少ながらずある。
徹頭徹尾、古本屋のレイアウトや品揃えを緻密に書く古ツアさんのブログ。
ブログに関してはこんな話もして頂く。「東海林さだおのように書いてほしい」というリクエストがあったが、自分にはそれは無理だと思ったとか。
古ツアさんが行った店でオレンジ色の日よけが大きすぎるという古本屋さんの画像や、この古本屋ツアーで入手したレア本を後半に見せて頂く。
そして後半では会場の皆様からの質問にも古ツアさんに答えて頂く。
とにかく交通費が膨大な古ツアさんに、岡崎さんから何度も「課金しよう」という単語が発せられる。
最後に来年、1月に三鷹で古本屋を開業するブックマーク同人(元音羽館勤務)が挨拶して、この回は締めくくられる。

古書ますく堂 増田)

※2014年1月18日、古本屋「水中書店」が三鷹に開店しました。
水中書店
東京都武蔵野市中町1-23-14
JR三鷹駅北口徒歩4分
0422-27-7783
12時~22時
火曜定休
http://thefishinwater.blogspot.jp/


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