ご来場ありがとうございました!(第69回西荻ブックマーク「真面目な顔で語るほど、ふざけているように聞こえます。」)

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小春日和ながら、まだ風の冷たい3月17日の夕暮れどき、第69回西荻ブックマーク「真面目な顔で語るほど、ふざけているように聞こえます。」出演:宮田珠己(聞き手:北尾トロ)が開催されました。

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会場はいつもとは異なり、旅の本屋のまどの店内です。
古書店音羽館の店主広瀬さんからの恒例の開会の挨拶のあと、おふたりの登場。
北尾トロさんから、宮田珠己さんの紹介。
「宮田さんといえば、旅だけれども、今回のトークショーは、そういう定番にはせず、適当にとりとめもなく行きます」という、トロさんの高らかな宣言のもとにほんわかとした進行のまま、トークが続きます。

まずは宮田さんの来歴や世界放浪をしていた時期の話、好きな大仏やジェットコースター、石の話題と続きます。
宮田さんのライターとしてのスタンスは、旅を書くにしても、情報やハプニングではなく、旅先での情感だけを書こうとされていることが挙げられます。最近は絵も描かれているとのこと。
トロさんからは、松本に暮らすようになってから、これまではまったく関わりのなかった猟師の世界に足を踏み入れようとしていることが告げられます。果たして、トロさんが猟に出る日が来るのでしょうか。今後の展開が大いに気になるところです。
その他、宮田さんが現在住まれている街の通称、スットコランドの話など、開会の際にトロさんの宣言にあったように、話題は自在に奔放に移ります。会場ではしばしば笑い声があがることも。
あっというまに、それでいてちょうどぴたりと一時間で前半部は終了しました。

休憩ののち、後半ではプロジェクターが使用されます。
宮田さんの4月11日ごろ発売予定の近著『おかしなジパング図版帖』でも紹介されている、実際の日本を知らない西洋人が描いた、おかしなジパング図版が紹介されます。
はじめに、刊行元の出版社、パイインターナショナルの瀧さんからの本の紹介がありました。
オランダ人のモンタヌスという作家の挿絵として使われたジパング図版がスライドとして次次とスクリーンに映され、それに宮田さんの紹介とトロさんの軽妙なコメントが加えられていきます。
ジパングの風景、大仏殿、まるで西洋の宮殿のごとき安土城と琵琶湖らしき湖、うさんくさい切腹の場面、黄金の巨大な阿弥陀像、珍妙な大名行列の光景、北九州にあるらしいドニ川とオウネワリ城などなど。
でたらめで、それでいてどこか日本に見えなくもない、突っ込みどころ満載な図版の数数に、場内は爆笑の連続でした。
細部まで見どころいっぱいの図版の解説に力説するあまり、宮田さんの指揮棒の先端がとれてしまうというハプニングも起きました。
奇妙なかたちをした日本地図の紹介も。四国のトンサ(土佐?)など、ところどころ地名があっているあたりも、笑いを誘います。
今回の書籍には紹介されていない、中国の風景を題材にしたおもしろ図説も紹介されました。
よく知っているようで、どこにもない、でたらめでありながらもユーモラスで笑える、不思議な国の図版の数数は、まさに壮大なファンタジー絵巻でした。
トロさん「いや、おもしろい。子供の頃、僕らは世界を誤解で作っていた。雑多な情報こそが妄想力を育んでいたんだ。それを思いだす。でも、その妄想力、僕は好きだ」
宮田さん「ほんと、こんな国があったら、僕らが行きたいですよね」

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最後は質疑応答、トークショーで出た話題への質問や、宮田さんの今後の執筆題材案などが飛びかいました。
「終わるときはスパッと終わります」というトロさんの宣言どおり、イベントは潔いまでにスパッと終わりました。ちょうど2時間きっかりでした。
IMG_20130317_201750イベント終了後には、宮田さんのサイン会が行われました。
ファンのみなさんと、ほがらかに対話しながら、イラストも添えつつ、サインをされていました。
のまどが会場のイベント開催は、はじめてで、不安もあったのですが、宮田さんとトロさんのかけあいの絶妙さで、笑いの絶えないトークショーとなりました。
会場を貸してくださった、のまどさん、本の紹介をしてくださったパイインターナショナルの瀧さん、ご来場くださったみなさん、あわせて、ありがとうございました。

(文:スタッフ添田)


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