第30回西荻ブックマーク

妖奇

2009年3月15日(日)
第30回西荻ブックマーク

ダークサイド・オブ・ザ・探偵小説 昭和20年代編
-雑誌「妖奇」をめぐって-

出演:山前譲
会場:今野スタジオマーレ
開場16:30/開演17:00
料金:1500円(会場でお支払い下さい)

定員25名 要予約


昭和20年8月15日の終戦後、探偵小説は復活する。その象徴的作品は翌年の『宝石』に連載された横溝正史「本陣殺人事件」だが、戦前派作家よりも、山田風太郎、島田一男、香山滋、高木彬光ら新人の登場が華々しい。また、センカ紙本で探偵小説が次々と刊行され、無名作家の怪作が乱舞した。だが、出版不況であっという間に、怪しげな新人は消え去っていく。そして昭和30年代初頭、推理小説ブームが訪れ、探偵小説は過去のものとなる。

そんな昭和20年代の荒波のなかでどっこいしぶとく生き残っていたのが、『妖奇』作家だ。昭和22年に創刊され、当時の探偵雑誌が『宝石』以外、次々と廃刊となる中で、『妖奇』は昭和28年までちゃんと月刊で刊行された。最初は名作再録が中心だったが、やがて無名作家のとんでもない作品が紙面を飾っていく。

尾久木弾歩、香山風太郎、華村タマ子、東禅寺明、覆面作家・・・・・・まさに怪しく奇怪な探偵小説満載の雑誌から、探偵小説界のダークサイドを垣間見る。



山前譲(やままえ・ゆずる)

1956年北海道生まれ。推理小説評論家、アンソロジスト。文庫解説や書誌研究著作も多数。2003年『幻影の蔵』にて第56回日本推理作家協会賞評論その他の部門を受賞。


(探偵雑誌『妖奇』の画像は「ちいさな古本博覧会」ブログより)