「明治の文豪漱石が倫敦留学で学んだものは」

「明治の文豪漱石が倫敦留学で学んだものは」

新宿の漱石 師走講演会
「明治の文豪漱石が倫敦留学で学んだものは」

第1部:

「倫敦塔と退化論」 小森陽一 東大院教授

第2部:

「ロンドンの漱石と出会った人々」 恒松郁生 ロンドン漱石記念館館長

日時:12/12(日) 午後13時開演 午後5時終演予定

場所:新宿区立四谷区民ホール

http://shinjuku-kuminhall.com/pc/event_yotsuya.html

全席指定 2000円

主催:NPO法人 漱石山房

http://www.souseki-sanbou.net/index.htm

共催:新宿区

» 「明治の文豪漱石が倫敦留学で学んだものは」

講演会の詳細・お申し込みはNPO法人 漱石山房へ

http://www.souseki-sanbou.net/index.htm


第40回ご出演、恒松郁生さんのそれから(漱石再びロンドンへ!?)

http://373news.com/modules/pickup/index.php?storyid=23829 (南日本新聞)

土台に…→

粘土をつけて…→

形が見え始め…→

TVクルーも来たのち…

TVクルーも来たのち…→


背広姿の漱石が!(左・田原迫華さん/右・恒松郁生さん)

さて、どのような漱石がみなさんを迎えてくれるのでしょうか。完成が待ち遠しいですね!


ご来場ありがとうございました!(第40回西荻ブックマーク「英国で本と暮らす」)

漱石の渡英後110周年となる今年。第40回の出演者は、渡英後30周年を迎えた恒松郁生さん。ロンドン漱石記念館館長、大学教授、執筆家、翻訳家として国内外で広く深く活躍されています。

土曜マチネーの今回は、初夏を先取りしたような陽気を強風が吹き抜ける一日でしたが、開場時間前に早くもお客様の姿が。恒松さんのトークがやっと東京で聞ける、その期待の高さは、開場後ほどなくして満員になった様子からも伝わってきました。

15時開演、年齢層はやや高め、西荻ブックマークらしからぬ(?)雰囲気の中、恒松さん登場。パソコンの画像をプロジェクターで映しながら説明する形で、前半は漱石関連をトピックに幕が開きました。

専門的になりがちなテーマにあって、随所にちりばめられたユニークなトリビアは、良いアクセントでした。漱石とステッキの奇妙な関係、「漱石全集」内のとんでもない誤表記、宮崎駿氏の残念なサイン色紙、「英国での楽な職業ランキング」などの話に、思わず吹き出す方も。とりわけ、『吾輩は猫である』のモデルとなった猫の絵と英国人画家、『草枕』を”The Three-Conered World(三角形の世界)”と訳したアラン・ターニーなどなど……なじみの薄い人物が出た際は、余談でも好奇心をそそる材料となり、時には満場の笑いを誘うスイッチにもなりました。

膨大な資料収集は、恒松さんの独力によるという事実には驚くばかり。研究は「徹底的にやる」の言葉通り、研究対象と関連する人物については生涯を調べ、お墓を確認したところでリサーチは終わるのだそうです。かつての英国社会保障制度のスローガン「揺りかごから墓場まで(”from the cradle to the grave”)」を字義通り実践し成果をおさめるバイタリティに、あきらめに近いうらやましさを覚える前半でした。

休憩時間も、お客様の質問に応じていた恒松さん。そのまま後半へ。テーマこそ英国古書店事情でしたが、サマセット・モームの著作「人間の絆(”Of Human Bondage”)」がサブタイトルとしてぴったりな内容でした。恒松流の古書購入方法をトピックに再開。

どうしても必要な本がある。古書店やネットでは見つからない。クリスティーズやサザビーズでも出品されない。ではどうするか? 「呼ばれたお茶は絶対に断るな」の精神で、稀覯本があるとされる地域へ行き、人と会い、お茶の席にお邪魔する。つまりは草の根活動。誰にでもできそうなこの方法も、実は多岐に渡る情報の取捨選択に基づいているのです。曰く、「一つのものばかり見ていては駄目」。日本人の緻密さ、イギリス経験論者のような思慮深さ、そしてアメリカ人並みのプラグマティックな行動力でもって北へ南へ。

結果、人は人を呼ぶ。ホテルでひっそり開催されるブックフェアの常連古書店主、オックスブリッジの教授以上の知識を持つ「古書ディーラー」、全国を奔走するバイヤー(”runner”)――ここから枝分かれ式に拡がるのは言わずもがなのことです。売値のラテン語暗号表記の秘密や古書を安く買うコツを明かして下さってから、最後はやはり人とのつながりを描いた、あの作品の話題。

古書店主と一人の客との交流を描き、映画化もされた『チャリング・クロス街84番地』。その続編とも言える”The Duchess of Bloomsbury Street(ブルームズ・ベリー街の貴婦人)”の翻訳に際して行った、リサーチの顛末にも触れてくれました(もちろん著者ヘレン・ハンフのお墓も)。翻訳は順調に進んでいるとのこと。その本を通してどんなつながりが芽生えるのか、今から楽しみでなりません。

盛りだくさんな内容とメリハリの利いたトークに時間を忘れた頃、拍手とともに幕となりました。展示品の一冊”The Philobiblon of Richard de Bury ”にも劣らぬ本への愛情を感じ取ることができた上に、「墓マイラー」としての意外な一面も発見できた第40回でした。

年内に新刊書が出る予定です。恒松さんの「本と暮らす」活動内容にブックマークを。

スタッフ:丹野


第40回西荻ブックマーク

nbm402010年3月20日(土)
「英国で本と暮らす」
恒松郁生さん(ロンドン漱石記念館館長)を迎えて
~記念館設立までとそれから~

会場:今野スタジオマーレ
開場14:30/開演15:00
※第40回は土曜マチネーでの開催となります。
開場/開演時間にご注意ください。
料金:1500円(会場でお支払い下さい)

定員30名 要予約

hand 定員に達したため、ご予約受付を締め切りました!!

nbm40

漱石作品に魅せられ、記念館を設立してから26年。館長・恒松郁生さんに、渡英後の体験エピソードやロンドンでの知られざる漱石の姿を語って頂きます。海外の珍本紹介あり、稀覯本の展示あり、発見に満ちた時間を是非お楽しみ下さい。

恒松郁生(つねまつ・いくお)
1951年生。翻訳家、日英交流史研究家。74年渡英後、旅行代理店、古書店等を経営しながら、夏目漱石、牧野義雄、松山忠三など、イギリスに学んだ日本人の足跡を調査。84年ロンドンに漱石記念館を設立。現地への日本文学の紹介、日英の文化交流促進に携わっている。現在崇城大学教授、同大学図書館館長。著書に「牧野義雄のロンドン」(雄山閣) 「英国王室御用達」(共著、小学館) 「こちらロンドン漱石記念館」(中公文庫)など。

こちらロンドン漱石記念館英国王室御用達牧野義雄のロンドン