コレクターを超えて
-趣味人になりたかった生田さん-
やはり聞いてみないとわからないものだ。
今の生田さんにとって、誰も持っていない珍しい絵葉書を所有したいとか、コレクションの量を誇りたいとか、コレクターが普通持つだろう欲望はすでに卒業していたのだ。
今の生田さんにとって、誰も持っていない珍しい絵葉書を所有したいとか、コレクションの量を誇りたいとか、コレクターが普通持つだろう欲望はすでに卒業していたのだ。
絵葉書を手に入れたら、その画像を取り込み、調べ分類する。そして世の中に知らしめる。
そうしたら「その絵葉書はもう手放してもかまわない」
そうしたら「その絵葉書はもう手放してもかまわない」
もちろん、この悟りとも思える境地に至るまでに、生田さん自身も、生々しいコレクターの生態と無縁のはずはない。
10数年で8万枚ものコレクションを築き上げたのだ、悩ましく眠れない夜もあったに違いない。
また(これは実際には話してくださらなかったが)何処にでもある権謀術数の世界に巻き込まれたこともあったようだ。
だからそんな料簡の狭いマニアの世界から離脱したのかもしれない。
10数年で8万枚ものコレクションを築き上げたのだ、悩ましく眠れない夜もあったに違いない。
また(これは実際には話してくださらなかったが)何処にでもある権謀術数の世界に巻き込まれたこともあったようだ。
だからそんな料簡の狭いマニアの世界から離脱したのかもしれない。
しかし数年前、初めてお会いした時から、生田さんの気さくで爽やかなお人柄は印象的だった。
まるで「そこに山があるから」とでも言いたげな潔さ。
コレクターによくある貪欲さは微塵もなかった。
それが今回のイベントで理解できた。
まるで「そこに山があるから」とでも言いたげな潔さ。
コレクターによくある貪欲さは微塵もなかった。
それが今回のイベントで理解できた。
忘れられない話をひとつ。
京都の料亭が実家だった生田さん。ご家族、親戚、お客様の文人たち、多彩な趣味の大人に囲まれて育つ。
いつしか生田少年は、わたしも将来そんな趣味人になりたいと思ったそうだ。
京都の料亭が実家だった生田さん。ご家族、親戚、お客様の文人たち、多彩な趣味の大人に囲まれて育つ。
いつしか生田少年は、わたしも将来そんな趣味人になりたいと思ったそうだ。
栴檀は双葉より芳し。まさにコレクターから趣味人の域へ、生田さんは自在の境地を垣間見せてくれた。
(ブックマーク同人:古書 音羽館 広瀬洋一)
» 【生田さんの絵葉書のコレクションが次のサイトでご覧いただけます。】
生田誠コレクション・イメージアーカイブ
http://search.dnparchives.com/WEB/feature/tk_ikuta.html
(このサイトの「作品一覧」をクリックしてください。
600枚もの絵葉書を堪能していただけます。)
http://search.dnparchives.com/WEB/feature/tk_ikuta.html
(このサイトの「作品一覧」をクリックしてください。
600枚もの絵葉書を堪能していただけます。)
» ギャラリーカドッコでの展示風景はこちら。
第58回西荻ブックマーク 『絵葉書とスカイツリイ』~世紀を超える紙(片)~
第58回西荻ブックマーク 『絵葉書とスカイツリイ』~世紀を超える紙(片)~