「岡崎武志と荻原魚雷の文章を書いて生きていく方法」

コクテイル寺子屋
「岡崎武志と荻原魚雷の文章を書いて生きていく方法」
ライターデビューがほぼ同時というお二人が、そのデビューから今までの、
物書きとして生きていくための方法を伝授します。
大正時代に建てられた古民家のお座敷で、ゆったりとした時間の中、
じっくりとお二人の話を聞くと、今までとは違う道が見つかるかもしれません。
トークショー終了後には懇親会もあります、ご質問などありましたら、
この機会にぜひどうぞ。
日時:2/26(日) 16:00開始(1時間半程度。その後、懇親会)
チャージ:トークショー 1,500円
懇親会 お酒を飲まれる方1,000円(おつまみとお酒付)/飲まれない方500円
※ご予約をお願いします。
電話・ファックスは03-3310-8130まで。メールはcocktailbooks@live.jpまで。

» 詳細はこちらから
http://blog.livedoor.jp/k_cocktail/archives/51327685.html

 岡崎武志と荻原魚雷の文章を書いて生きていく方法

テキスト・イラストともに岡崎武志さん



ご来場ありがとうございました!(第54回西荻ブックマーク「本と怠け者と働き者」)

第54回西荻ブックマークの出演者は、9月上旬に初の文庫本となる『本と怠け者』(ちくま文庫)を出されたばかりの荻原魚雷さんと、その巻末解説を書かれた岡崎武志さん。
魚雷さんとは十数年来の知り合いである岡崎さんの巧みな進行のもと、魚雷さんの知られざる素顔が次々と明かされていきました。
まずは、魚雷さんの新刊『本と怠け者』の紹介から。
『ちくま』に連載していた当初は、怠け者をテーマにしていたわけではなかったそうですが、連載を振り返ってみると“怠け者”や“アル中”など“社会不適応”の作家の割合が多かったとのこと。
「作家の育った環境・境遇がその作風に与える影響について興味があります。山田風太郎が『人生の色調』と言っているんですが、彼の作品にも両親を早くに亡くしたことで得た視点が表れているように思います」

という魚雷さんのお言葉が印象的でした。

岡崎さんのリクエストで、『本と怠け者』にも引用されている石原吉郎の『世界が滅びる日に』を朗読する一幕も。
話題は一転して、魚雷さんの仕事観やユニークなアルバイト歴の話に。
「接客業は無理。『いらっしゃいませ』『ありがとうございます』を愛想よく言える人を尊敬する」
「図書館のデータ入力作業は天職だと思った。やっているうちに無の境地になれる。しかも、ノルマを終えた後は本を読み放題」
など、次から次に飛び出す魚雷さん節に会場からもたびたび笑い声が起こります。
その後も、酒好きになったきっかけについて、上京した頃のエピソードについて、22年間住んでいる高円寺での引っ越しについてなど、お二人のトークは淀みなく続きました。
休憩を挟んで後半は、お二人が持参した古本をご紹介していただくとともに、西荻漥の古書店「音羽館」でお二人がセレクトした均一本や直筆の色紙が抽選で配られました。
魚雷さんが色紙に認めた一言があまりに魚雷さんらしいので、ここに引用させていただきます。

ここではない どこか遠くへ行きたいが
どこか遠くに行くのは面倒くさい
即売会で大いに盛り上がった後は、東日本大震災後の話に。
震災当日は京都に出かけていたという魚雷さん。
携帯電話が通じない状況下で、出版社に勤めている奥さんに連絡をとるためにブックオフに駆け付けたというエピソードに、「何でブックオフやねん」と岡崎さんからツッコミが入ります。
「ブックオフは自分でも名案だと思ったんですよ」
という答えが場内の笑いを誘い、2時間のトークは幕を閉じました。
※何故ブックオフだったのかはお考えください。
魚雷さんの飄々とした魅力と温かさのある人柄を存分に堪能できた2時間だったのではないでしょうか。

(スタッフ:塚田)


第54回西荻ブックマーク

本と怠け者2011年9月25日(日)
ちくま文庫刊行記念トークイベント
魚雷vs岡崎
「本と怠け者と働き者」
ちくま文庫ブラザーズ・トークショー
荻原魚雷×岡崎武志

会場:今野スタジオマーレ
開場:16:30/開演:17:00
料金:1500円
定員:30名
要予約

九月上旬に発売された『本と怠け者』は雑誌「ちくま」 の連載に「震災後日記」他をくわえた文庫オリジナルのエッセイ集です。
今回は巻末解説を書き、先日同じちくま文庫から『女子の古本屋』を出された岡崎武志さんをお迎えし、魚雷×OKATAKEの中央線黄金コンビによる古本談義を堪能していただきます。

活字と自活荻原魚雷(おぎはら ぎょらい)
1969年三重県生まれ。文筆業。著書『活字と自活』(本の雑誌社)『古本暮らし』(晶文社)など。

文壇高円寺 http://gyorai.blogspot.com/

女子の古本屋岡崎武志(おかざき・たけし)
1957年大阪生まれ。書評家、フリーライター。『女子の古本屋』(ちくま文庫)『あなたより貧乏な人』(メディアファクトリー)など著書多数。

okatakeの日記 http://d.hatena.ne.jp/okatake/

第54回西荻ブックマーク「本と怠け者と働き者」

テキスト・イラストともに岡崎武志さん



佐藤泰志 連続刊行記念 川本三郎氏×岡崎武志氏トークショー

「今、佐藤泰志文学を語ろう」 

出演:川本三郎氏(評論家) 岡崎武志氏(書評家)

2011年7月22日(金) 18:30~20:00(開場18:00)

場所:東京堂書店 神田神保町店 6階

http://www.tokyodoshoten.co.jp/

参加費:500円(要予約)

電話または、メール(tokyodosyoten@nifty.com)にて、件名「佐藤泰志イベント希望」・お名前・電話番号・参加人数、をお知らせ下さい。イベント当日と前日は、お電話にてお問合せください。電話 03-3291-5181

» 詳細はこちらから

http://tokyodoshoten.co.jp/blog/?p=1068



ご来場ありがとうございました!(第50回西荻ブックマーク「『古本屋ツアー・イン・ジャパン』がやって来る!」)

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第50回目となる今回は、ブログ「古本屋ツアー・イン・ジャパン」の管理人、小山力也氏と岡崎武志氏の対談。
「古本屋ツアー・イン・ジャパン」というどんな団体なんだ?と一瞬思うような、謎に包まれていたお方だったが、話術巧みな岡崎氏が徐々に、そのベールをはがしていく。
まず「生まれた年は?」ときかれ、「昭和42年」と小山氏が答えると、「アイドルは?」などとぽんぽんと質問が発射されていく。ちなみに小山氏の世代は沖田浩之だそうな。
ブログに記された最初のお店は、私が探せず、挫折した宇都宮の「山崎書店」だ。
二番目が浜松の「時代舎」で、その次の長野の古本屋ぐらいから、記述が更に詳しくなっていく。
この人はこのツアーを仕事にしているんだろうか……? どうしてこんなに日本全国あちこちに行けるのか?という大きな疑問もバンドの携帯サイトの動画配信などをしていたという答えで解決。
もともと本の装丁やデザインが本職だという。バンドに同行していればライブで津々浦々にいけるからまさに古本好きにはまさに一石二鳥ではないか。
本職の仕事がちょっとやばくなり、小山氏は「ネットで本を売ろう」とふと思う。
「そのためにはまず、ブログだ」と2008年5月にブログを開始。
そのとき、「どうせ全国の古本屋を紹介するなら、徹底的に詳しく書こう」と。
これがもうすごすぎるの一言。
いままでこんな古本中毒者を喜ばせる、うならせるブログがあっただろうか。
グーグルマップにもひっかからないような秘境とよんでもいいような辺鄙な場所の古本屋でも何故か、このブログには掲載されているのだ。そのへんをずばり、岡崎氏が突っ込むと、「全方位」と一言。会場全体が「?」に包まれる。
勿論、岡崎氏の追及の手が更にのびる。
本や雑誌、ブログ、ネットなどで常に調べるのだそうです。人のブログも参考にして、女性誌のカフェ特集にも目を通し、昔の古本屋地図と突き合わせる。
「女性誌のカフェ特集に掲載されるようなおしゃれ系の古本屋では古本をみてる人がいない」と言う小山氏に会場は爆笑だ。
ここまで古本屋に対して情熱を注いでる人だからこそ、934店もの古本屋を制覇できたのであろう。
そんな小山氏の少年時代はどうだったのか?と岡崎氏は観客の知りたいことをスムーズに聞き出してくれていた。
小さい頃から古本屋に通っていたのはなく、古本屋に行きだしたのは大学生になってからだという。
昭和初期の探偵小説が欲しくて古本屋に行ったのだ。

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もうひとつの小山氏の凄さの秘密にも岡崎氏は鋭く迫る。
それは会場で配られた「古本屋ツアー・イン・ジャパンの他愛ない12の秘密」というペーパーにある古本屋の見取り図だ。
古本屋を制覇した数だけでもすごいが、ただ行ったというだけではない、記憶力の凄さに脱帽だ。
自分が行ったこともないのに、ありありと棚構成がイメージできる見取り図で、どうやって覚えるのかと聞かれたら、店外に出て、どこの棚に何があったかを、さっとメモしていくらしい。

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打ち上げで少し聞いたが、まず、全体を頭にインプットしてから、棚ひとつひとつみていくそうだ。ううむ、恐るべし。
たまに、店主がいないすきを狙って、わざと大きな声で咳をしながら店内を撮影することも。
店の外構えは必ず、撮影するようにしているが、中には、店の前まで来ても入れない古本屋もあるといい、「あぁ、わかる」と同意したのは岡崎氏だけではないだろう。
空振りしたり、入れなかった古本屋を数えるとどのくらいになるんだろう……?
「『入っていいですか』と聞く業種なんて古本屋ぐらいだ」と皮肉る岡崎氏に会場も笑いを抑えられない。
小山氏は古本屋に突撃するとき、基本、事前連絡はしないという。「雰囲気が変わるのが嫌で、その町の人がふらり、やって来たという感じにしたい」ということと、もう一つは、「電話自体が苦手だから」と語る。

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後半は小山氏が撮影した古本屋の画像をみながら、古本屋のベストテンと、ユニークな古本屋を紹介してくれた。
  • キー・ラーゴ(千葉)
  • プラハ書房
  • 港文堂(横須賀)
  • 斎藤書店
  • 時代舎
  • 浅沼古書店
  • 萌黄書店
  • 雄気堂
  • 古書モール(竜ヶ崎)
次は、え? ホントにここ、成り立ってんの?といいたくなるようなユニークすぎる古本屋のご紹介。
木更津インターチェンジの「街の古本屋さん」、基本的に値段が二桁の横須賀の「堀川書房」、広島の「文ろ書店」、などなど。
夜7時頃、震度3の地震でちょっとざわついたが、それをのぞくと最初から最後まで笑いあり、驚きありの古本中毒にはたまらないトークショーで、あっという間に時間が過ぎた。

スタッフ:増田