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本の町プロジェクト・高遠ブックフェスティバル実行委員長で、西荻ブックマークスタッフでもある斉木博司さんが登壇するフォーラムのお知らせです。
+++以下 主催者からの情報を転載+++
第10回 東京大学文化資源学フォーラムのご案内
「書棚再考」~本の集積から生まれるもの~
東京大学文化資源学研究室では、毎年学生を主体に「文化資源学フォーラム」を開催して参りました。
今年で10回目を迎えるフォーラムは「書棚再考~書棚から生まれるもの~」をテーマにゲストを招き、
講演とパネルディスカッションを行います。国民読書年や電子書籍元年として本に関する話題の豊富であったこの2010年を振り返る貴重な機会にぜひご参加いただきますよう、ご案内申し上げます。
日時:平成22年12月11日(土) 13:00-15:30
会場:東京大学本郷キャンパス 法文2号館 2大教室
【開催趣旨】
本フォーラムでは、本が集められた場が人々に開かれている状態を「書棚」と呼ぶことにします。「書棚」は、空間の中に複数の本が存在することで生まれる場と言うことも出来ます。「書棚」は、ある時は個人の本棚として、またある時は図書館の書架や古本市の露店として、様々に姿を変えて我々の周りに存在してきました。
友人の本棚に置かれた本や並べ方に注目すれば、その人の一端をうかがい見ることができる様に、本の集積から生まれるもの、複数の本が介在した人と人との交流は、一冊の本から生じるものとも、読書体験の共有から生じるものとも異なるものです。
近年は、本を媒介としたコミュニケーションを演出する専門家に注目が集まっています。また、本を要とした観光の登場や、町中に本を置くことで人々をつなぐ試みがなされるなど、「書棚」を利用した取り組みは、様々な広がりを見せ始めています。
本フォーラムでは、これまで「書棚」がどのようなものとしてあったかを示しながら、現在新たな視点で「書棚」を作られている方々をゲストとして招き、お話をうかがっていきます。「書棚」の過去と現在を紹介し、その可能性を議論することで、新たな「書棚」の魅力を発見する契機となればと考えています。
■フォーラムプログラム
12:30 開場
13:00-13:05 開会挨拶 木下直之(東京大学大学院教授)
◇第一部「書棚の歴史と現在」基調講演
13:05-13:20 学生によるイントロダクション 東京大学大学院人文社会系研究科文化資源学研究室
「文化資源学フォーラムの企画と実践」履修生
13:20-13:40 新谷迪子(千代田図書館館長)
13:40-14:00 内沼晋太郎(ブック・コーディネーター)
14:00-14:20 斉木博司(本の町プロジェクト・高遠ブックフェスティバル実行委員長)
14:20-14:35 休憩
◇第二部「本の集積から生まれるもの」パネルディスカッション
14:35-15:30 パネルディスカッション
15:30 閉会
■講演者
新谷迪子(千代田図書館館長)
内沼晋太郎(ブック・コーディネーター)
斉木博司(本の町プロジェクト・高遠ブックフェスティバル実行委員長)
■パネリスト
講演者3名
佐藤健二(東京大学教授)
履修生代表 (東京大学大学院人文社会系研究科文化資源学研究室
「文化資源学フォーラムの企画と実践」)
■申し込み先 (先着150名) 入場無料
ハガキまたはインターネットにてお申し込みください。
ハガキにてお申し込みの方は、官製ハガキに参加希望者全員の氏名・連絡先を明記の上、「第10回文化資源学フォーラム」事務局までお送り下さい。
インターネットでは、お申し込みフォーム:http://bit.ly/shodana2010 よりお申し込みいただけます。 ※当日空席がある場合もご入場いただけます。
■お問い合わせ
第10回文化資源学フォーラム事務局(東京大学大学院人文社会系研究科文化資源学研究室内)
住所:〒113-0033 文京区本郷7-3-1
東京大学大学院人文社会系研究科文化資源学研究室気付 「第10回文化資源学フォーラム」事務局
Tel&Fax:03-5841-3722(東京大学文化資源学研究室 月-金11:00-19:00)
問い合わせフォーム:http://bit.ly/shodana2010
■主催 東京大学大学院人文社会系研究科文化資源学研究室 http://www.l.u-tokyo.ac.jp/CR/
■企画・運営 東京大学大学院人文社会系研究科文化資源学研究室
「文化資源学フォーラムの企画と実践」履修生
■後援 文化資源学会
詳細はこちらから
» 東京大学大学院人文社会系研究科 文化資源学研究室>フォーラム>第10回文化資源学フォーラム
http://www.l.u-tokyo.ac.jp/CR/forum/forum10.html
» 「本の町」ブログ
http://blog.goo.ne.jp/booktown_2007
第1部:
「倫敦塔と退化論」 小森陽一 東大院教授
第2部:
「ロンドンの漱石と出会った人々」 恒松郁生 ロンドン漱石記念館館長
日時:12/12(日) 午後13時開演 午後5時終演予定
場所:新宿区立四谷区民ホール
http://shinjuku-kuminhall.com/pc/event_yotsuya.html
全席指定 2000円
主催:NPO法人 漱石山房
http://www.souseki-sanbou.net/index.htm
共催:新宿区
» 「明治の文豪漱石が倫敦留学で学んだものは」
講演会の詳細・お申し込みはNPO法人 漱石山房へ
http://www.souseki-sanbou.net/index.htm
造形家・・kao 木の精 X 作陶家・・Beeno金五郎 土の精
2010年11月30日~12月5日(火~日)
11時半~20時 (初日14時から/最終日17時まで)
会場: ギャラリーSPACEKIDS (東京・青山)
» 詳細はこちらから
The Artists of The Round Table
- ここから新しい物語が始まります。-
玉神 輝美・景山 徹・長野 剛・ツル ノリヒロ
江口 あさ子・伊藤 清泉・高田 美苗・kao・牧野 鈴子
2010年11月30日[火]~12月5日[日]
12:00~19:00(最終日17:00まで)
< 11月30日 15:00 OPEN オープニングパーティー 17:00~ >
会場:PAO Gallery パオ・ギャラリー(東京・東中野)
【LIVE・音楽と絵のコラボレーション】
12月4日[土] 19:00~ チケット 4,000円 於:PAO COMPOUND 9F 驢馬駱駝
» 詳細はこちらから
第四十七回の出演者は、七〇年代屈指の劇画誌としてマンガ史に残る「増刊ヤングコミック」の元編集者・橋本一郎さんと戸田利吉郎さんのおふたり。そして、「QJマンガ選書」シリーズなどマンガ関連書籍を数多く手掛けてこられた編集者・赤田祐一さんです。
会場には、編集者、マンガ家、マンガ研究者などを中心に、熱心な劇画ファンのお客様が集まってくださいました。
プロジェクターから「増刊ヤンコミ」の表紙や誌面が映しだされるなか、まずは橋本・戸田両氏の紹介からスタート。
橋本さんは、朝日ソノラマ社員として、「オバケのQ太郎」ソノシートや新書マンガ・シリーズ「サンコミックス」創刊編集長をつとめた後、少年画報社に入社。少年誌の編集部を経て、「増刊ヤンコミ」へ。退社後の現在は、文筆家として活躍されています。
一方の戸田さんは、大学卒業後、少年画報社に入社。「少年キング」で望月三起也などを担当された後、橋本さんが立ち上げた「増刊ヤンコミ」編集部へ異動。雑誌休刊後は「ヤングキング」編集部などを経て、一昨年、少年画報社社長に就任されました。
戸田さんは少年時代に読んだ平田弘史の作品に衝撃を受け、マンガ家をめざした経歴を持ちます。学生時代には貸本マンガ誌に作品を発表したこともあったとか。そんな戸田さんが、「鋭角的」で熱気ある劇画誌を作るべく試行錯誤していた橋本さんと出会い、両者がタッグを組むことで生まれたのが「増刊ヤンコミ」でした。
七〇年代は「ヤンコミ」をはじめ、「漫画アクション」「ビッグコミック」などの青年誌が台頭した時期であり、同時にいわゆる「三流劇画」、エロ劇画全盛の時代でもありました。劇画黄金期と言ってもいい当時を彷彿させる、作家や編集者のエピソードが、おふたりから次々と語られていきます。
原稿執筆中、登場人物になりきっていた平田弘史の迫力。とにかく遅筆で、原稿が真っ黒になるまで下書きしていた山上たつひこの粘り。原稿の遅さに手塚治虫を殴ってしまった他誌の編集者の顛末(橋本さん曰く「手塚さんは暴力に弱かった」!)。そして、鬼才・石井隆の発見と、ポップな老大家・杉浦茂や気鋭の若手・大友克洋が編集部に原稿を持ち込んできた経緯……。
おふたりの軽妙な語り口に、客席からはときおり笑い声も起こります。
さらに、合間に語られた当時の雑誌の制作事情(通常は原稿を写真製版してフキダシ部分に穴をあけ、セリフを活字で組み校正刷を出していたが、原稿が遅い作家に限っては写真植字を使っていたこと)、性表現の問題をめぐる鉄道弘済会や警視庁との軋轢等も、当事者ならではのリアリティに満ちた貴重な証言でした。
戸田さんは作家に仕事を依頼する際、必ず腹案を持って臨んだそうです。どんなベテランや人気作家にも「何でもいいから描いてください」とは決して言わなかった。常に編集者として、自分のアイデアと熱意を作家にぶつけていた。つまり、一回ごとの作家との出会いに自分を「賭け」ていた。
それを受けて、「自分の感覚を信じて、非妥協的に相手に向かっていくこと」が何より大事、と橋本さんが応えます。橋本さんもまた、〆切ギリギリになっても、代原(間に合わなかった場合、代わりに使うための原稿)は持たず、「気迫で押して」作家から原稿を取ったそうです。
こんな息の合ったやりとりからも、おふたりが同じ思いで雑誌作りに臨んでいたことがわかります。こうした姿勢があってこそ、今見ても強烈な迫力に満ちた「増刊ヤンコミ」の誌面が生まれたのに違いありません。
休憩を挟むことなく繰り広げられた、約二時間の濃密な劇画談義。最後は戸田さんのご好意で、ご自身で作られた非売品の冊子を希望者にプレゼントするなごやかな雰囲気のなか、閉幕となりました。
何はともあれ、七〇年代から現在まで、マンガへの変わらぬ情熱を持ち続けているおふたりの持続力に驚かされた二時間でした。どんな時代になろうとも、結局本作りで重要なのは作り手の志だけではないか――と、そんなメッセージを受け取った気がします。三十年以上前の雑誌をめぐる内容でしたが、今のマンガにはない劇画の熱気と面白さはしっかり伝わったのではないでしょうか。
なお橋本さんは、現在手塚治虫についての著書を準備中とのこと。これまでとは一味違う手塚論、マンガ論の誕生が期待できそうです。完成を楽しみに待ちましょう!
スタッフ:宮里